前伊東市長宅を家宅捜索 学歴詐称疑惑で卒業証書押収問題が浮上
静岡県伊東市の田久保真紀前市長(56)の学歴詐称疑惑を巡り、県警は2026年2月14日、地方自治法違反などの疑いで刑事告発された田久保氏の市内にある自宅を家宅捜索した。この捜索は同日、弁護士が東京都内で取材に応じ明らかにしたもので、事件の捜査が新たな段階に入ったことを示している。
県警の捜査と田久保氏の対応
県警は押収した資料などを基に、告発容疑の立件可否を慎重に判断する方針だ。田久保氏はこれまでの県警の任意聴取において、犯罪の成立を否定した上で詳細を黙秘しており、疑惑への対応が注目されている。家宅捜索について、福島正洋弁護士は「想定していた。驚きはない」と述べ、捜査の進展を予見していたことを示唆した。
卒業証書の保管と押収拒絶権の主張
福島弁護士は、卒業証書とされる文書が弁護士事務所で保管されていることを認めた。さらに、刑事訴訟法が定める押収拒絶権に基づき、「卒業証書」とされる書類の差し押さえは許されないとの趣旨の文書を、2月12日に県警へ提出したと説明した。同法は、弁護士らが業務上の委託を受け保管する書類について、他人の秘密に関するものは押収を拒めるなどと規定しており、この点が捜査の焦点となっている。
学歴詐称疑惑の背景と市議会の対応
田久保氏は東洋大学を除籍された経歴があるが、昨年5月の市長選で当選後、市の広報誌のプロフィールなどで卒業と紹介していた。これを受け、市議会の調査特別委員会(百条委員会)は「卒業と勘違いしていた」との田久保氏の主張を虚偽と認定。市議会などは、地方自治法違反容疑などで刑事告発に踏み切った。この疑惑は、公職者の信頼性を問う社会的事件として、広く関心を集めている。
事件の今後の展開では、県警の捜査結果と弁護士側の主張がどのように折り合うかが鍵となる。学歴詐称疑惑が刑事事件として立件されるかどうか、また地方自治における透明性と責任の在り方について、議論が深まることが予想される。