東大学園祭中止、表現の自由めぐる議論 専門家「いずれも自由」
東大学園祭中止、表現の自由めぐり専門家「いずれも自由」

東京大学の学園祭「五月祭」が爆破予告を受け、16日の全企画が中止となった。この中には、参政党の神谷宗幣代表による講演会も含まれていた。講演会を主催した学生団体は、参政党への賛否両論を含めた議論を促す意図があったと説明する一方、一部からは「差別的・非科学的な言論」が行われる恐れがあるとして抗議の声が上がった。大学祭における表現の自由の在り方について、言論法が専門の山田健太・専修大教授に聞いた。

講演企画は学生の自由

山田教授は、神谷氏の言動には肯定できない部分があり、自身は支持しないとしつつも、「大学は本来、多様な価値観に触れて学び成長する場だ。考えに偏りがある人物であっても、講演を企画することは自由だ」と指摘する。

近年、大学内で集会や立て看板の制限が進み、言論空間としての大学が窮屈になりつつあることを踏まえ、「学生の自治が重んじられる学園祭では、表現の自由がより広範に認められるべきだ」と述べた。

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公共施設との違い

自治体などの公共施設では、過去の発言などから特定の個人の人権を辱めたり、ヘイトスピーチを行う蓋然性が高いと判断される場合、利用を制限するケースがある。しかし、山田教授は「今回の場合、主催者である学生にそこまでの対応が求められていたとは言えない」と話す。感情的な罵倒は適切ではなく、冷静な議論が必要だと強調した。

賛否両論の意義

主催団体は、参政党への批判も含めた議論の場を提供したかったと説明。山田教授は「賛否両論を喚起する企画は、学園祭の本来の目的に合致する」と評価する。一方で、抗議の動きについても「表現の自由の一環として理解できる」とし、「いずれも表現の自由の範囲内だ」と結論づけた。

今回の爆破予告は、講演会を巡る議論に水を差す形となった。山田教授は「暴力による言論封殺は決して許されない。大学は安全を確保しつつ、自由な議論の場を維持すべきだ」と訴えた。

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