滋賀県大津市立幼稚園教諭の賃金が実質的に減少する給与体系の見直し問題を巡り、大津市議会総務常任委員会は11日、教諭らが所属する労働組合側を委員会に招き、意見を聴取した。組合側は「現場の不安はいまだ解消されていない。市側が何を目指しているのか理解できない」などと述べ、現場の教職員の不満や混乱の実情を伝えた。
給与体系見直しの背景
大津市は、待機児童問題の一因となっている保育士不足を解消するため、幼稚園と保育園の職員を「教育保育職」に統合し、配置の柔軟化を図ろうとしている。しかし、給与体系を水準の低い保育士に合わせる方針に対し、幼稚園教諭らから強い反発が生じている。市が提案した給与体系見直しを含む条例改正案は、3月の市議会で継続審査となっている。
組合側の主張
委員会には、市教職員組合の松崎有純書記長らが出席。組合側は「十分な合意形成がなされてこなかった」と指摘し、「園児数が減少する中で改革そのものに反対しているわけではないが、順番がおかしい」と主張した。さらに、「業務が多様化・複雑化する中で処遇を下げることは、人材流出に直結する。やりがい搾取は許されるべきではない」と強く訴えた。
再開された労使交渉では、減給補償や事務負担軽減などについて議論が行われたが、「不利益の解消には至っていない。現状では妥結は難しい」との認識を示した。
市側の対応
委員会には市側も出席。4月末に実施した教職員向け説明会について、「若手職員が自ら意見を述べることができた点は一定評価していただけた」と述べ、今後の協議に前向きな姿勢を見せた。委員会は15日にも再開し、結論を出す見通しである。
国会でも取り上げられる
11日の参議院決算委員会では、立憲民主党の古賀千景議員が大津市の幼稚園教諭の賃金問題について質疑を行い、高市早苗首相は「各自治体によって決定される事柄であり、市議会の結論を待ちたい」と答弁した。



