静岡・浜松まつり3日開幕、手話通訳ボランティアが初凧サポートで誰もが楽しめる祭りに
浜松まつり開幕、手話通訳で誰もが楽しめる祭りに

子どもの誕生を祝い、健やかな成長を願って凧を揚げる「浜松まつり」が3日、浜松市で開幕する。市内の参加各町では2日、前夜祭などが開かれた。今年のまつりは、誰もが楽しめるよう手話通訳ボランティアが初凧をサポートするなど、新たな取り組みが注目されている。

高丘町の前夜祭、盛り上がりを見せる

初凧5枚を揚げて初子11人を祝う同市中央区の高丘(タ組)では、同区高丘東の葵が丘会館に町衆約200人が集まった。ラッパ隊の演奏に合わせて鏡開きと乾杯があり、大きく盛り上がった。

藤本将平さん(32)と妻の和希さん(30)は、長男・修叶さん(10)、次男・惺叶さん(8)、長女・望来さん(4)の3人連名の凧を揚げる。将平さんは「準備はばっちし、やる気は満々。子どもの健康を願って凧を高く飛ばしたい」と高揚感を口にした。

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手話通訳ボランティアが初凧をサポート

中央区の芳川町大橋(芳組)では、安形元希さん(22)一家が、長女玲那ちゃん(1)の初凧を揚げる。玲那ちゃんの祖父母である元希さんの両親は聴覚に障害があり、芳組では祭りの説明会で手話通訳のボランティアが同席するなどして準備を進めてきた。組全体で、誰もがまつりを楽しめる工夫を凝らして、当日の盛り上がりを心待ちにしている。

元希さんは湖西市の出身。父・亘功さん(58)は生まれつき、母・亜矢子さん(54)は幼少期から耳が聞こえず、やりとりは手話が中心。そのため、元希さんが子どものころ、家のインターホンや電話が鳴ったときは、両親に代わって対応するのが決まりだった。学校の面談など、口頭でのやりとりが必要な時には、元希さんが手話で通訳をすることもあった。「苦労はあったけど、両親にはとても感謝している」と話し、いつもありがたさを忘れずにいる。

元希さんは結婚を機に、妻の真弥さん(22)の地元・芳川町へと移り住んだ。真弥さんは小さなころからラッパを吹くなど、まつりが身近にあった。玲那ちゃんが生まれ、同い年のはとこ、鈴木瑠音ちゃん(1)=掛川市=と連名で初凧を揚げることとなった。湖西市に住む亘功さん、亜矢子さんにとっては、なじみの薄い浜松まつりだが、元希さん、真弥さんらから誘われ、「にぎやかで楽しそう」と、孫の初凧揚げへと参加することを決めた。

聴覚障害のある家族が凧を揚げるのは芳組では初めて。初家向けに開かれた説明会では手話通訳のボランティアが同席したほか、町がまつりの成り立ちや注意事項を丁寧にまとめたプリントを用意。すべての人にまつりを理解してもらい、楽しんでもらえるよう配慮を重ねた。「皆が楽しめるように、やれることは全部やる」。前組長の鈴木将義さん(51)をはじめ、まつりを盛り上げる努力は惜しまない。

3日は亘功さん、亜矢子さんら親戚一同が勢ぞろいし、凧を揚げる予定。元希さんは「どこまでも天高く揚がり、子どもが成長し続けることを願いたい」と意気込んだ。

まつりの見どころ

まつりは5日までの3日間。同区白羽町の凧揚げ会場では、参加の173町が凧を揚げる。凧同士の糸を絡ませて操縦技術を競う糸切り合戦も繰り広げられる。5日午前には、各町の子どもが凧を揚げる。期間中の夜には、JR浜松駅北側の市中心部で豪華絢爛な屋台の引き回しがある。3日に市中心部で開かれる吹奏楽パレードでは、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で徳川家康役の俳優松下洸平さん、家康の腹心・石川数正役の迫田孝也さんが登場する。

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