神奈川県横浜市神奈川区のかながわ県民センターで、日本が他国の人々に与えた加害に焦点を当てた「知ることで未来が見える 戦争の加害パネル展」が6日まで開催されている。有志でつくる「記憶の継承を進める神奈川の会」が主催し、今年で11回目を数える。
展示内容の概要
会場には、旧日本軍による「慰安婦」問題や南京大虐殺、731部隊、毒ガス兵器など12項目に分けて約200点のパネルが並ぶ。詳細な資料や写真、教科書の記述の変遷の分析などを通じ、授業では詳しく触れることの少ない歴史の深層を浮き彫りにしている。
相模湖・ダム建設に焦点
特に朝鮮人と中国人捕虜らの強制労働をテーマとしたコーナーでは、相模原市の相模湖・ダム建設をクローズアップした。1940年に起工した同ダムは、治水や軍需産業への電力・水供給を目的とする国策事業で延べ360万人が従事し、過酷な労働環境から日本人38人を含む83人の殉難・殉職者が確認されている。
およそ50年にわたり同ダムの歴史の掘り起こしと犠牲者の追悼を続ける橋本登志子さん(76)と塚田滋さん(77)は「来場者にこの史実を知り、次世代に伝えてほしい」と会場で展示解説を行っている。
多角的な加害の歴史
同展は過去に日独の戦後処理の違いや関東大震災時の朝鮮人虐殺なども特集し、多角的に加害の歴史を問い直してきた。同会の竹岡健治さん(79)は「戦後81年となり、社会を『新たな戦前』に向かわせないためにも加害の事実に着目し、戦争をトータルで捉えることが重要だ」と強調。ポータルサイト「戦争の加害資料室」も新設した。



