中国時代劇「逐玉」の化粧イケメン将軍に軍系メディアが批判
中国で人気の恋愛時代劇「逐玉」を巡り、主人公の将軍役が化粧をしたイケメンであることに軍系メディアが「軍人気質からかけ離れている」と強く批判した。この問題は国内で大きな波紋を広げ、中国当局は動画配信大手や制作会社に対し、「外見至上」の作品づくりを改めるよう指示する事態に発展した。
北京市内に設置された「逐玉」を宣伝する看板には、将軍役の俳優張凌赫さんが登場している。このドラマは、落ちぶれた将軍と庶民の娘との恋愛を描いた時代劇で、今年3月にインターネットで配信され、4月時点で再生回数が少なくとも36億回を突破する大ヒット作品となった。
「ファンデーション将軍」と話題に
将軍役を演じる張凌赫さんは、戦場シーンでも化粧をして登場したことから、ネット上で「ファンデーション将軍」と呼ばれ、議論を呼んでいた。軍系のSNSアカウントは「わが国は古来より男らしさを尊んできた」と主張し、ドラマは「将軍像が変質している」との批判コメントを投稿。これに対し、張さんのファンらは相手が軍系アカウントと知らずに猛反発し、ネット上で激しい論争が繰り広げられた。
指導部の意向反映か
中国の伝統文化を重んじる習近平指導部は2021年、女性っぽい中性的な男性を「いびつな美意識」と断じて排除するよう通告しており、今回の動きは指導部の意向を反映したものとみられる。当局は配信大手や制作会社に対し、外見ばかりを重視した作品作りを改めるよう指示し、業界に影響を与えている。
この問題は、中国のエンターテインメント業界における表現の自由と、政府による規範の間に生じる緊張を浮き彫りにしている。ドラマのファンからは「表現の多様性を認めるべきだ」との声も上がる一方、保守的な立場からは「軍人のイメージを損なう」との批判が根強い。



