日本新聞協会が加盟する新聞・通信社の社員らを対象に実施した「ジェンダー・多様性に関する意識調査」の結果が23日に公表され、職場での公平性認識に男女間で大きなギャップがある実態が明らかになった。調査は昨年11月から12月にかけて、加盟99社の全社員・役員を対象にオンラインで実施。9630人(回答率27%)が回答した。
男女間の公平性認識に差
「自分の職場は男女の地位が平等だと思うか」との質問に対し、「平等」と答えた男性は40.7%だったのに対し、女性は26.0%にとどまった。一方、「男性が優遇されている」と感じる女性は、「どちらかといえば」を含め58.3%に上り、男性の約2倍に達した。「平等でない」と感じる場面(複数回答)では、男女とも「管理職や経営層に登用される男性が多い」が最多だった。
長時間労働の評価に世代間ギャップ
「長時間働く人が高く評価される職場か」との問いには、40代以下の女性の6割以上、20~30代男性の6割弱が「そう思う」(「どちらかといえば」含む)と回答。一方、50代男性では半数超、役員層では7割弱が「そう思わない」と答えるなど、世代や立場による意識の違いが顕著だった。
育児休業取得への賛成多数も実態は低調
男性の1年以上の育児休業取得については、全体の77.8%が賛成。特に20~30代では9割前後が賛成した。しかし、実際に男性育休経験者のうち1年以上取得した人は1.3%にとどまり、意識と実態の乖離が浮き彫りになった。
女性管理職比率の数値目標に賛成過半数
新聞業界の女性管理職比率は他業界より低いが、数値目標を設けることについては全体の55.6%が賛成。女性では67.9%、役員でも58.9%が賛成し、改善への意欲が示された。
関西大学の多賀太教授(ジェンダー学)は「女性が昇進や意思決定への参画に不利を感じる一方、男性も長時間労働や危険業務、転勤負担の偏りといった働きにくさを抱えている」と指摘。その上で「対症療法にとどまらず、働き方と人事制度の構造的改革を構想することが、新聞業界の持続可能な未来を切り開く鍵」と述べた。協会の中村史郎会長は「ジェンダー・多様性の尊重が新聞業界の持続的な発展に不可欠との認識のもと、議論と取り組みを一層加速させたい」とコメントしている。



