東京都内で金塊の取引現場を狙ったとみられる強盗事件が相次ぐ中、警視庁は4日、都内の複数の金塊取り扱い業者に対し、古物営業法に基づく立ち入り検査を行った。今後、他の同業者にも検査を広げ、取引実態を把握し、法令順守や防犯の指導を強化する。警視庁への取材でわかった。
立ち入り検査の実態
4日に立ち入り検査が行われたのは、江戸川区にある業者などだ。この業者の事務所付近では5月28日午前10時ごろ、強盗の準備をしたとして、男と少年が強盗予備容疑で逮捕された。業者は当時、金塊を運ぶ予定があったとされ、少年は「『金を無理やり取りに行ってほしい』と先輩に言われた」と供述したという。
匿名・流動型犯罪グループの関与
SNSなどで緩くつながる「匿名・流動型犯罪グループ」(匿流)が関与しているとみられる強盗や窃盗事件が相次いでおり、警視庁は、金の取引現場が標的の一つになっているとみている。捜査関係者は「金の取引情報がSNSなどでやりとりされ、犯行グループが狙っている可能性がある」と指摘する。
警視庁は今後、都内の金塊取り扱い業者に対する立ち入り検査を順次拡大し、取引記録の確認や防犯カメラの設置状況、警備体制などを徹底的に調査する方針だ。また、業者に対し、不審な取引や来店者への注意喚起を促すとともに、警察との連携強化を図る。
背景と今後の対策
東京都内では今年に入り、金塊の売買現場を狙った強盗事件が少なくとも5件発生している。犯行グループは、事前に取引情報を入手し、現金や金塊を奪う手口を繰り返している。警視庁は、こうした犯罪を未然に防ぐため、業者への指導を強化するとともに、市民に対しても不審な人物を見かけた際の通報を呼びかけている。
また、古物営業法に基づく検査では、業者が適切に本人確認や取引記録の保存を行っているかも厳しくチェックされる。違反が発覚した場合には、行政処分や刑事告発も視野に入れている。



