東京都福生市で男子高校生2人を金づちで殴るなどしたとして、殺人未遂容疑で公開手配されていた同市加美平3丁目の高林輝行容疑者(44)が1日、逮捕された。「殺すつもりはなかった」と容疑を否認しているという。
事件を起こす直前から確保されるまで、何があったのか。捜査関係者などへの取材から経緯をたどる。
騒音に端を発した事件
4月29日午前6時半過ぎ、高林容疑者の自宅の向かいにある、営業時間外の焼き肉店の駐車場に、男子高校生を含む男女グループが集まっていた。
「声がうるさい」。同居する母親はそう感じ、外に出て少年らに注意した。それでも、少年らはその場にとどまった。もう一度注意したが、状況は変わらなかった。
母親の苦悩
母親は、3回目の注意に向かった。母親は繰り返し注意した理由について、「(過去に騒音が原因で息子が)暴れたことがあり、怒って暴れると困るから」と当時を振り返りつつ警視庁に説明したという。
母親が行動に移した背景には、過去の経験があった。息子の高林容疑者は以前、騒音をきっかけに激高し、暴れたことがあった。母親はその再発を恐れ、必死に注意を続けたのだ。
容疑者の登場
度重なる注意にもかかわらず、少年たちが駐車場に留まり続けたため、母親はついに高林容疑者を呼びに行った。高林容疑者は自宅から金づちを持ち出し、現場に向かった。
現場に到着した高林容疑者は、少年たちに対して「うるせーんだよ」と叫びながら金づちを振り上げた。そして、男子高校生2人の頭部などを殴打した。2人は病院に搬送され、命に別条はないが、全治数週間のけがを負った。
57時間の逃走
事件後、高林容疑者は現場から逃走した。警視庁は殺人未遂容疑で公開手配を行い、行方を追った。逃走中、高林容疑者は知人宅を転々とし、携帯電話の電源を切るなどして捜査の網をかわそうとした。
しかし、1日午後、警視庁は東京都内の知人宅に潜伏しているところを発見し、逮捕した。逮捕時、高林容疑者は特に抵抗しなかったという。
否認の態度
調べに対し、高林容疑者は「殺すつもりはなかった」と供述し、殺意を否認している。警視庁は、事件の詳しい動機や経緯を引き続き捜査する方針だ。
現場となった焼き肉店の駐車場には、事件後も規制線が張られ、近隣住民は不安な表情を浮かべていた。



