視点・解説「著作権」「意匠権」はどんな権利?何が違う? 読み解く4つの要点
2026年4月24日 15時08分 米田優人
有名デザイナーが手がけた子ども用いす「トリップ・トラップ」をめぐり、最高裁は24日、著作権を認めない判決を言い渡しました。裁判で争点となった「著作権」や「意匠権」はどのような権利で、どのような違いがあるのでしょうか。ポイントを整理します。
この記事が解説するポイント
- 著作権とは
- 意匠権とは
- 著作権と意匠権の違いは
- 権利を侵害したらどうなる
①著作権とは
著作権は、小説や絵画、映画、音楽、新聞記事などの「著作物」を創作した際に自動的に発生する権利です。著作物を無断でコピーされたり、使用されたりするのを防ぐため、作者が独占的に権利を保有します。
著作物は、文化庁が所管する著作権法において「思想または感情を創作的に表現したもの」と定義されています。
②意匠権とは
意匠権は、工業製品のデザインに関する権利です。意匠とは製品の形状や模様、色彩など、デザイン全体を指します。
具体例としては、家電や家具、文房具のデザインのほか、スマートフォンのアプリ画面のアイコンなどが挙げられます。意匠法は特許庁が所管しています。
③著作権と意匠権の違いは
著作権は、登録手続きをしなくても創作と同時に自動的に権利が発生します。保護期間は原則として著作者の死後70年までです。
一方、意匠権を取得するには特許庁への出願が必要です。認められれば出願から25年間保護されます。出願には1万6千円の手数料が必要で、別途登録料(3年目まで年8500円、4年目以降年1万6900円)もかかります。
④権利を侵害したらどうなる
著作権や意匠権を侵害すると、民事責任として製品の製造・販売差し止めや損害賠償請求の対象となります。過去には裁判で億単位の賠償が命じられた例もあります。
また、刑事責任を問われるケースもあり、いずれの権利も侵害すると「10年以下の拘禁刑または1千万円以下の罰金」に処される可能性があります。最近では、映画やアニメのネタバレ記事をネットに投稿したサイト運営者に対し、東京地裁が懲役1年6月執行猶予4年、罰金100万円の判決を下した事例があります(被告は控訴中)。
このように、著作権と意匠権は性質や保護条件が異なるため、権利を主張する際には適切な法的枠組みを選択する必要があります。



