神奈川県警で不適正取り締まり2700件、上司黙認で実績優先の実態
神奈川県警不適正取り締まり2700件、上司黙認の実態

神奈川県警で不適正取り締まりが組織的に発覚、2700件の違反取り消しへ

神奈川県警第2交通機動隊において、交通違反の不適正な取り締まりが広範に行われていた実態が明らかになりました。県警は近く、約2700件の違反を取り消し、既に納付済みの反則金約3500万円を返還する見通しです。警察関係者への取材を通じて、県警が1年半をかけて調査した結果、組織的な不適正行為の全容が浮かび上がってきました。

「実績を上げたかった」職員の本音と上司の黙認

不適正取り締まりの発端は、2024年8月に県警に寄せられた一通の電話でした。通報者は「交付された交通反則切符に記載された違反時の車間距離が、実際の状況と異なる」と指摘。この通報を契機に、県警は内部調査を開始し、驚くべき実態を発見しました。

調査によれば、第2交通機動隊の職員らは、「実績を上げたかった」という動機から、実際には違反が成立しないケースでも交通反則切符を発行していたことが判明。さらに問題なのは、こうした不適正な行為を上司が認識しながらも黙認していた事実です。組織内では、取り締まり件数を重視する風土が根強く存在し、適正な手続きよりも数値目標の達成が優先されていた実態が浮き彫りになりました。

安全な車間距離の取り締まりで不正が集中

特に問題となったのは、安全な車間距離を保っていない運転者に対する取り締まりです。職員らは、実際の車間距離を正確に計測せず、あるいは過大に評価して違反として処理。多くのドライバーが不当に反則金を納付させられる結果を招きました。

県警の調査チームは、過去数年間にわたる取り締まり記録を精査。不適正と判断された約2700件について、違反の事実が認められないあるいは手続きに重大な瑕疵があると結論付けました。これに伴い、納付済みの反則金約3500万円の返還手続きが進められることになります。

組織の風土改革と再発防止策が急務

この不祥事を受け、神奈川県警は以下の再発防止策を講じる方針です:

  • 交通取り締まりの手順に関する職員教育の徹底
  • 上司による監督責任の明確化とチェック体制の強化
  • 実績偏重の評価制度の見直し
  • 市民からの通報を受け付ける窓口の拡充

警察関係者は「今回の問題は、一部の職員の不正にとどまらず、組織全体の風土が生み出した構造的な問題だ」と指摘。県警としての信頼回復に向け、根本的な改革が求められています。

市民からは「警察が法を守らないで誰が守るのか」との批判の声も上がっており、今後の対応が注目されます。県警は、返還手続きの詳細を近く公表するとともに、再発防止に向けた具体的な行動計画を示す予定です。