代々木公園で25年暮らしたホームレス男性の死 多くの人に悼まれた「絵描き」の人生
代々木公園で25年暮らしたホームレス男性の死 多くの人に悼まれた「絵描き」の人生

東京・代々木公園(渋谷区)で1月に発生した火災により、1人の男性が亡くなった。この男性は公園で25年以上暮らしてきたホームレスで、多くの人々に愛され、その死を悼む声が寄せられた。本記事では、都心の片隅で静かに生きた男性の軌跡をたどる。

火災の発生と異例の弔い

1月15日正午前、公園内の生活者用テントから火災が発生。81歳の川畑久男さんが死亡した。現場には火災後、色とりどりの花束や故人の写真が供えられ、20年以上暮らす生活者の加藤さんは「こんなことは初めて」と驚いた。

川畑久男さんの人物像

川畑さんは宮崎県出身。公園では「絵描き」として知られ、柔らかな口調で親しみやすい人柄だった。テントには観葉植物や切り子グラスが飾られ、頻繁に模様替えをするなど、独特のセンスを持っていた。

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フリーマーケットでの活動

川畑さんは15年ほど前から代々木公園などでフリーマーケットに出店。赤い布を敷いた展示台にスーツや和服を着こなし、客を呼び込んだ。着物の生地や焼き物、仏像などに詳しく、絵描きとしても活動。パステルや絵の具、色鉛筆を使い分け、植物や果物を題材にした作品を制作していた。

メディア取材と過去

川畑さんはメディアの取材にも応じ、「働くとは何か」をテーマにしたインタビューで、デパートの土産店で働いていた過去や、吃音に悩み接客業で克服しようとした経験を語った。路上で物を売り始めて初めて自信を持てたという。

「そこにいることを喜ばれる人でいたい」

川畑さんは雑誌のインタビューで「家の前を掃除していたら、みなさんに声をかけていただける。自分がそこにいることを素直に喜ばれる人でいたい」と語っていた。酒を好み、時には酔いつぶれることもあったが、周囲はその弱さも含めて親しんだ。

公園のホームレス事情

東京都立代々木公園では、条例で居住は認められていないが、少なくとも1994年から人が暮らしている。最も多かった2005年には440人がいたが、今年1月時点ではテント16張、34人が居住している。

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