高校2年生自殺、第三者委は「いじめが要因」なのに学校側は存在争う…賠償訴訟の判決控えた母親「正しい判断を信じたい」
高校2年生自殺、第三者委は「いじめが要因」なのに学校側は存在争う…賠償訴訟の判決控えた母親

長崎市の私立海星高校2年の男子生徒(当時16歳)が2017年4月に自殺したのは、いじめ防止対策推進法に基づく対策を怠ったためとして、遺族が同校を運営する学校法人に約3200万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が8日、長崎地方裁判所で言い渡される。学校側が設置した第三者委員会は「いじめが自殺の要因」とする報告書をまとめたが、学校側はいじめの存在自体を争っており、裁判所の判断が注目される。

訴訟の経緯と争点

訴状によると、生徒は中高一貫校の中3から高2まで、同級生からおなかが鳴る音をからかわれるなどのいじめを受け、高校では複数の教師から理不尽な叱責を受けるなどした。学校側が適切な対応をとらなかったうえ、自殺後には、対外的に「突然死にした方がいい」と提案され、精神的苦痛を受けたとしている。

この問題では、学校が設置した第三者委員会が2018年、「いじめが自殺の要因」とする報告書をまとめたが、学校側は「論理的な飛躍などがあり、理解できない」として受け入れを拒否。遺族は2022年、学校法人海星学園に対し、損害賠償などを求めて提訴していた。

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訴訟で原告側は、生徒の遺書やノート、第三者委の調査などから、いじめ行為の存在や自殺との因果関係は明らかと主張。一方、学校側は、いじめ行為を立証する客観的証拠や証言に乏しいと反論し、仮にいじめがあったとしても、勉強のストレスなど他の要因も考えられ、自殺との因果関係は認められないとして請求棄却を求めている。

いじめ対応の責任

いじめへの対応についても対立がある。原告側は、いじめの対策委員会が開かれないなど、いじめ防止対策推進法が求める早期発見や適切に対処する義務を学校側が怠り、生徒の死を防げなかったと訴えている。一方、学校側は情報共有や相談を受ける体制を整えていたとし、当時の生徒の状況から、いじめの存在を認知することは困難だったと主張している。

母親の思い

判決を前に、男子生徒の母親(54)が読売新聞の取材に応じ、「正しい判断をしてくれると信じたい気持ちと恐怖心が揺れ動いている」と現在の心境を明かした。息子が亡くなって9年余り。好きなテーマパークで撮影した家族写真などを机に広げ、「地図を全て頭に入れて、家族を案内してくれていた。どの姿も記憶に残っています」と語った。

両親はいじめ防止対策推進法の改正を求める署名活動にも取り組み、昨年11月、6万筆を超える署名を衆参両院の委員会に提出した。「やれることはやった」と約3年半に及んだ裁判を振り返り、「いじめ事案の判例になると思う。今後の子どもたちを守る判決であってほしい」と願う。

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