大分市の一般道で2021年に発生した死亡事故を巡り、検察側が近く最高裁判所に上告趣意書を提出することが、遺族側への取材で明らかになった。この事故では、時速194キロで走行していた乗用車が右折車と衝突し、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪が問われた。しかし、今年1月の福岡高裁判決は、「制御困難な高速度」と「妨害目的」という同罪の要件を認めず、検察側はこれを判例違反だと主張している。
遺族側が説明を受ける
遺族側は福岡高検で、28日が提出期限の趣意書について説明を受けた後、取材に応じた。死亡した小柳憲さん(当時50歳)の姉である長文恵さん(60歳)は、趣意書の内容について「これ以上ないつくりだった」と述べ、検察側の主張に強い期待を示した。
事件の経緯
一審の大分地裁の裁判員裁判では、危険運転致死罪を認め、被告に懲役8年の判決が言い渡された。しかし、二審の福岡高裁はこの判決を破棄し、危険運転致死罪の成立を否定した。検察側は、この二審判決が最高裁の過去の判例に反するとし、上告に踏み切った。
検察側は、時速194キロという速度は明らかに「制御困難な高速度」に該当し、また被告が故意に危険な運転を行ったことは「妨害目的」に当たると主張。これに対し、高裁判決はこれらの要件を満たさないと判断したため、検察側は法的な誤りがあると訴えている。
今後の見通し
最高裁が上告を受理するかどうかは未定だが、検察側の主張が認められれば、再び危険運転致死罪の適用範囲が問われることになる。遺族側は、一日も早い最高裁の判断を待っている。



