千葉県立東金特別支援学校で2024年3月、授業中に児童が熱湯でやけどを負った事故をめぐり、当時小学5年生だった男子児童2人が県に対し、計3065万円の損害賠償を求めた訴訟の弁論が、千葉地方裁判所八日市場支部で終了しました。県側はこれまでの法廷で、事故の責任を認めており、争点は慰謝料を含む賠償額の算定に絞られています。判決は9月8日に言い渡される予定です。
逸失利益をめぐる対立
訴訟では、事故がなければ得られたはずの将来の利益、いわゆる逸失利益の有無が大きな争点となっています。原告の児童側は、やけどにより「今後の進路や職業選択の幅が狭められた」と主張。一方、県側は「将来の職業選択や就労機会に制約を及ぼすものとは考えられない」として、逸失利益の存在を否定しています。
母親たちの悲痛な陳述
結審では、児童2人の母親がそれぞれ陳述を行いました。1人目の児童の母親は「乾燥やかゆみを防ぐため、今も保湿剤と日焼け止めを塗り続けている。この先もケアが続くと思うと胸が苦しい」と、やけど後の継続的なケアの負担を訴えました。もう1人の母親は「私たちの子は何が起きたかを言葉で伝えられない」と述べ、改めて事故原因の徹底的な究明を県に求めました。
事故の経緯
事故は、草木染の授業中に発生しました。訴状などによると、熱湯の入った鍋を1人の児童が引っ張ったため、熱湯がかかり、その児童の右手首付近にやけどを負いました。さらに、近くにいた別の児童の太ももにも熱湯がかかり、やけど跡が残りました。2人は知的障害があり、事前に合理的配慮を申請していたことが明らかになっています。
県はこれまでの弁論で、安全配慮義務違反を認めており、今後の判決では賠償額の具体的な金額が注目されます。



