再審見直し法案、15日に閣議決定へ 自民党が最終案を了承
再審見直し法案、15日に閣議決定へ 自民了承

自民党は13日、刑事裁判の再審制度を見直すための刑事訴訟法改正案について、法務省が提示した最終案を了承した。これを受け、政府は15日に法案を閣議決定し、今国会に提出する方針だ。

議論の経緯と最終案の内容

政府法案をめぐっては、自民党の事前審査で再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)の禁止を求める声が相次ぎ、議論が紛糾してきた。最終案では、刑訴法の本体である本則で、検察による高裁への即時抗告と最高裁への特別抗告の要件をいずれも厳格化。検察が抗告した理由を公表するとの規定も、従来案の付則から本則に引き上げた。

検察抗告の禁止を求める声

政府法案に反対する議員らは、検察抗告の禁止を訴えてきたが、「今国会に法案を提出し、法改正を実現したい」などとして了承した。証拠開示や目的外使用の禁止にも異論が続出した。

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見直しの背景

今回の見直しは、袴田巌さん(90)が2024年9月、死刑確定から44年後に再審無罪となったことがきっかけで始まった。現行法には再審手続きに関する規定が乏しく、法の不備で冤罪被害者の救済が遅れているとの批判が高まった。

当時の鈴木馨祐法相は25年3月、法制審議会(法相の諮問機関)に見直しを諮問。刑事法学者や裁判官、検察官、弁護士らが部会で18回の議論を重ね、今年2月に現在の平口洋法相に見直し案を答申した。

答申の内容

答申には、再審請求を早期にスクリーニング(選別)する手続きや証拠開示に関する規定、開示証拠の外部公開を罰則つきで禁じる「目的外使用の禁止」などが盛り込まれた。一方、検察の抗告禁止は弁護士以外が反対して見送られた。

事前審査での修正

法務省は答申をもとに政府法案を作成し、3月下旬から自民党の部会で事前審査が始まった。検察の抗告を維持している点だけではなく、新設されたスクリーニング手続きや証拠開示のあり方、目的外使用の禁止にも異論が続出した。

3回の修正

これを受けて法務省は4月15日、自民党に1回目の修正案を提示。検察の抗告を受理した裁判所が、再審開始の是非を審理する期間を1年以内とする努力義務を課すことなどを法案の付則に盛り込んだ。

さらに5月7日に示した2回目の修正案では、検察抗告の原則禁止を採用。法案の付則に、検察は再審開始決定に対する抗告を「してはならない」と明記しつつ、「再審開始決定を取り消すべきものと認めるに足りる十分な理由」があるときはこの限りではないと例外を定めた。スクリーニング手続きも修正し、裁判所に早期の再審請求棄却を義務づける要件を一部削除した。

これに対し検察抗告の禁止を求める議員らは、本則で抗告を認めたまま付則で原則禁止をうたっても実効性が疑われるうえ、付則は経過措置など付随的な事項を盛り込むところで、将来削除される恐れもあると指摘。原則禁止を本則に引き上げるよう求めた。

政府内には本則化に強い異論があったが、自民党の要請を受け、最終的には受け入れた。

最終案の詳細

この日の最終案では、高裁への即時抗告について、「再審開始決定を取り消すべきものと認めるに足りる十分な根拠」があるときに限りできると規定。また、再審開始決定に対する検察の即時抗告を棄却する決定などが出た場合についても、最高裁への特別抗告の要件を厳格化し、現行の憲法違反や判例違反に加え、「決定を取り消すべきものと認めるに足りる十分な根拠」を求めることにした。

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