一般社団法人「Tネット」が公表したトランスジェンダーに関する意識調査の報告書によると、トランスジェンダーに対して「好意的な印象を持っている」と回答した人は約34%で、否定的な人の割合(約18%)を上回った。統計分析の結果、受容の度合いには、人がもともと抱いている男女のあり方に関する価値観が大きく影響していることが明らかになった。調査を実施した当事者団体は「当事者に特殊な問題として捉えるだけでなく、社会の問題として分析することが必要だ」と指摘している。
調査の背景と方法
調査は2026年4月、SNSを中心にトランスジェンダーに対する悪意のある文言や根拠なく不安をあおる言説が目立つ状況を受け、その背景を探る目的で行われた。20~70代の男女を対象にインターネット上で実施され、有効回答数は1603人だった。
主な調査結果
「好意的な印象を持っている」という考えについて、「非常にそう思う」から「まったくそう思わない」までの7段階で質問したところ、肯定的な回答(「非常にそう思う」「そう思う」「ややそう思う」の合計)は約34%、否定的な回答(「ややそう思わない」「そう思わない」「まったくそう思わない」の合計)は約18%、「どちらともいえない」は49%だった。
また、「望む性別で社会生活を送ることは尊重されるべきだ」という考えに対しては、約7割が肯定的な回答を示した。
受容度を左右する要因
調査では、統計手法を用いてトランスジェンダーへの受容度を左右する要因を分析。最も強い関連が見られたのは、「男女には生まれつき違った役割がある」や「男は男らしく、女は女らしくあるべきだ」といった、男女のあり方に関する価値観だった。これらの価値観に強く同意する人ほど、トランスジェンダーに対する受容度が低い傾向が確認された。
一方、男女のあり方に平等的な価値観を持つ人ほど、トランスジェンダーを受容する傾向が強かった。この結果は、トランスジェンダー問題が単に性的少数者の問題ではなく、社会全体のジェンダー観に根ざしていることを示唆している。
今後の課題
Tネットは「今回の調査で、トランスジェンダーへの受容度が個人の価値観に強く影響されることが明らかになった。今後は、こうした価値観を形成する社会的要因についてさらに分析を進める必要がある」とコメントしている。
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