八丈島(八丈町)の農園「西野ファーム」などが、島の特産野菜「アシタバ」と島酒を使った薬草酒を完成させ、販売を開始した。島は昨年10月の台風で大きな被害を受けており、この薬草酒の売り上げの一部が復興支援に充てられる。同農園代表の西野隆志さん(38)は「被災した農家を支え、島の未来につながる特産品になれば」と期待を寄せている。
島酒を使用した薬草酒「八丈島アマーロ Batch2」
完成した薬草酒は「八丈島アマーロ Batch2」(350ミリリットル、税込み3190円など)。「アマーロ」はイタリア発祥のハーブリキュールの総称で、今回は島内の酒蔵「坂下酒造」が造る麦焼酎の原酒を使用している。この原酒に、島産のアシタバやレモン、さらにはバニラや島唐辛子の葉など数十種類の植物を漬け込み、成分を抽出した。青々とした風味とレモンの爽やかさ、バニラなどの甘い香りが楽しめる。アシタバは葉だけでなく、根や茎なども余すことなく使用されている。
同農園は昨年6月、神奈川県の伊勢屋酒造と協力し、第1弾となる「八丈島アマーロ Batch1」を発売。国産ウォッカをベースに、アシタバなどを漬け込んで試作を重ねたところ、全国で販売すると注文が相次ぎ、即座に完売したという。
昨年10月の台風で甚大な被害
島は昨年10月、台風22号と23号に襲われ、農家を中心に甚大な被害が発生した。各地でビニールハウスが倒壊するなどし、農林水産業の被害総額は17億円超(昨年11月時点)に上る。倒木も相次ぎ、各地でアシタバ畑へ向かう道路もふさがれた。西野さんは約1か月にわたって片付けに追われ、現在も撤去されずに残っている場所があるという。
クラウドファンディングで支援金を募集
西野さんは4月10日から5月10日まで、台風被害に遭った農家の復旧支援と「Batch2」以降の薬草酒の製造資金に充てるため、クラウドファンディングを実施。254人から188万5750円が集まった。4月末には島内外での薬草酒の販売を開始し、製造元の伊勢屋酒造が売り上げの一部を島内の若手農家団体に寄付することになった。西野さんは「アマーロを広めて農家を盛り上げ、台風からの復興にもつなげられたら」と意気込みを語る。
「Batch2」は同農園のオンラインショップなどで購入できる。



