改正健保法成立で医療費負担増、理解促進が課題に
改正健保法成立、医療費負担増の理解促進が課題

高齢化の進展に伴い医療費は増加の一途をたどり、公費負担も膨らんでいる。こうした状況の中、患者の自己負担を一定程度増やす改革は避けられないと言えるだろう。

改正健保法の成立とOTC類似薬の負担増

市販薬と成分や効果が類似し、処方箋が必要な「OTC類似薬」について、追加の自己負担を求めることを柱とする改正健康保険法などの関連法が成立した。OTC類似薬には約7000品目があり、政府はこのうち約1100品目を対象に、来年3月から患者の自己負担額を引き上げる方針だ。

具体的には、薬剤価格の公的保険適用を75%に抑え、残りの25%を自己負担分に追加する。例えば、窓口負担が3割の人が30日分の抗アレルギー薬を処方された場合、負担額は現在の540円から855円に増える。

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保険適用の維持と改革のバランス

日本維新の会はOTC類似薬の全品目を公的保険の適用から外すよう求めていたが、症状が軽いと思った人が医療機関を受診せずに薬局で薬を購入し、重い病気を見逃すリスクがある。全品目について保険適用を維持しつつ、一部の薬で自己負担を増やす政府の判断は妥当と言える。

政府は関連法の審議で、入院中の人などには追加負担を求めない方針を示しており、こうした配慮も欠かせない。

高額療養費制度の見直し

改正法には、医療費が高額になった場合に患者の負担を抑える高額療養費制度について、負担額を見直す際には長期治療が必要な人の家計への影響を考慮するよう明記された。石破前内閣がまとめた案では年収によって負担額が最大73%増となり患者団体の反発を招いたが、政府は年収によって引き上げ幅を4~38%にする方針に改めた。患者らの不信感を払拭したい。

医療費改革のさらなる必要性

2023年度の医療費は48兆円に上る。今回のOTC類似薬と高額療養費の改革により、年間2600億円の保険料削減効果が見込まれるが、それだけで改革が十分とは言えない。

社会保障制度改革の最大の論点は医療費の窓口負担見直しであり、維新や国民民主党は高齢者の窓口負担割合引き上げを主張している。十分な収入があり支払い能力がある人には、応分の負担を求めることが重要な検討課題だ。

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