すでに各地で夏日を記録し始めた今年。猛暑が予想される夏本番を前に、企業が現場作業員の熱中症対策に力を入れている。昨年は対策強化が事業者に義務づけられたが、記録的な暑さにより死傷者が過去最多になった。今年は体を冷やす設備の導入に加え、労働時間の短縮など踏み込んだ取り組みも出てきている。
キャンピングカーを移動式休憩所に
西武鉄道は今春から、埼玉県の秩父地域などで線路の保守・点検をする保線係員のためにキャンピングカーを移動式休憩所として使い始めた。冷蔵庫、エアコン、就寝スペースを備える。
同社によると、「近くに休憩所が欲しい」という現場からの声を受け、導入された。作業場所は日によって変わり、近くの事務所まで往復40分ほどかかることもある。事務所に戻らず、線路脇の木陰などで休憩する人もいたという。同社飯能保線所の佐々木勲所長は「線路内は日陰もなく、照り返しもあって暑くなる。社員の身の安全にも気をつける必要がある」と話す。
ミストファン付きトイレや冷却ベスト
気象庁は、今年の夏(6~8月)の平均気温について、全国的に平年より「高い」と予想している。地球温暖化で世界全体の気温が「底上げ」されていることが一因だという。
各社の取り組みには、作業員の体を冷やす施策が目立つ。大東建託はミスト噴射と換気機能が付いた「快適トイレ」を、試験的に導入する。熱気や臭いがこもりがちだった建設現場のトイレ環境を改善する狙いだという。冷却プレートを装着できるファン付きベストも新たに開発し、導入する。
大和ハウスは、体を冷やすことに関する独自の取り組みを進めている。労働時間の短縮も検討課題となっており、工事が遅れる可能性についても対応策を模索中だ。
このように、企業は現場作業員の安全を守るため、多角的な熱中症対策を展開している。



