岩手県釜石市唐丹町の小白浜漁港で28日、昨年から本格的に養殖が始まったムール貝が今季初めて水揚げされました。海洋環境の変化でホタテなどの不漁が続く中、高水温に強いのが特徴で、漁師らは「新たな名産品になれば」と願っています。
この日、漁師たちは日の出とともに湾内の養殖場に出港し、かごはムール貝でいっぱいになりました。港の岸壁に戻ると、貝殻についた泥やフジツボなどを清掃し、約100キロ分の貝を出荷しました。
ムール貝の特徴と背景
ムール貝は「ムラサキイガイ」とも呼ばれるヨーロッパ原産の外来種です。ぷっくりとした身と豊かな磯の風味が特徴で、三陸沿岸ではホタテやカキの貝殻などに自然に付着したものを漁師らが自家消費していました。
近年の水温上昇などでホタテやワカメなどの収穫量が落ち込む中、地元漁師たちは高水温に強いムール貝に着目。2022年に養殖組合を結成して試験養殖に着手し、昨年からは「はーとふるムール」のブランドで本格的な養殖を始めました。
今後の展望
昨年は関東圏のスーパーや地元の飲食店向けに約1・8トンを出荷。洋食レストランやクリスマス向けに需要があり、今年は3トンの出荷を見込んでいます。養殖を手がける男性漁師(40)は「今年は実入りが上々。ぜひ堪能してほしい」と話しました。
漁師たちは今後、さらに生産量を増やし、地域の新たな名産品として定着させることを目指しています。高水温に強い特性を生かし、気候変動に対応した持続可能な養殖モデルとしても注目されています。



