日本血液学会は、血液のがんなどにかかり大規模病院で経過観察中の患者を、地域のクリニックに「逆紹介」する実証事業を5月から福島県と三重県で開始する。この取り組みは、患者の通院負担を軽減し、専門医不足を補うことを目的としている。
逆紹介の仕組みと対象患者
同事業では、治療の必要がなく同意が得られた患者を対象に、大規模病院からクリニックへ逆紹介を進める。クリニックの医師には診療ガイドを配布し、経過観察を容易にする。病状が悪化した場合は、クリニックから元の病院に再度紹介する仕組みだ。
実証事業の詳細
実証事業では、地域のクリニック医師でも経過観察しやすい診療ガイドを作成。大規模病院(各県5~10施設)とクリニック(各県10~20施設)に参加を呼びかけ、悪性リンパ腫、免疫性血小板減少症、再生不良性貧血、不応性貧血、巨赤芽球性貧血の患者を対象とする。
背景と課題
国は大規模病院からクリニックへの逆紹介を推進してきたが、血液疾患は病態が複雑で高い専門性が必要なため、十分に普及していない。患者が大規模病院に集中し、専門医不足が課題となっている。
学会理事の池添隆之・福島県立医大主任教授は「データを検証した上で広げていきたい」と述べており、今後の展開に期待が寄せられている。



