千葉県内で、親を亡くした高校生らを支援する「あしなが高校奨学金」の申請数が、物価高の影響で増加している。2026年度の申請数は64人で、そのうち23人が資金不足のため奨学金を受け取れなかった。この状況を改善しようと、大学生らが県内の主要駅前で募金活動を実施している。
駅頭で募金活動
4月19日、JR千葉駅東口ロータリーで、4人の大学生が募金箱を手に声を上げた。通行人の多くは足早に通り過ぎるが、中には立ち止まり「頑張ってください」と募金する人もいた。学生たちは「ありがとうございます」と頭を下げた。
この募金活動は、あしなが育英会の奨学金を利用する学生で構成される「あしなが学生募金事務局」が主催。メンバーの田辺木乃佳さん(21)は「物価高で、親を亡くした子どもたちの生活は厳しい。不採用者を一人でも減らしたい」と語る。
田辺さんは10歳で母を亡くし、父と弟たちと暮らす。高校入学後、奨学生に採用され「家計が安定した」と実感。大学にも進学したが、物価高の影響で食費や薬代の負担が増え、「生活必需品を買うと余裕がなくなる」と話す。
奨学金の現状
あしなが高校奨学金は、高校生や高等専門学校生を対象に、卒業まで月3万円を給付。2026年3月現在、県内で140人が受給している。中学3年生の申請数は2023年度の48人から2025年度には73人に増加。採用者数も増えているが、資金不足で不採用となるケースが後を絶たない。
あしなが育英会の担当者は「高校入学後に申請する人も多い。多くの人に奨学金を届けるため、募金への協力をお願いしたい」と呼びかけている。
今後の募金活動
大学生らによる募金活動は、4月25日と26日の正午から午後5時ごろまで、JR千葉駅、本八幡駅、津田沼駅、船橋駅、新浦安駅など各駅前で実施。日によって場所が異なるため、詳細は「あしなが学生募金」のホームページで確認できる。ホームページからも寄付が可能。
あしなが育英会について
あしなが育英会は、病気、災害、自死で親を亡くした子どもや、親に障害がある子どもを支援する団体。高校生と高専生を対象としたあしなが高校奨学金は1988年に創設され、これまでに4万5176人に交付された(2026年3月現在)。あしなが学生募金事務局は毎年4月と10月に全国で街頭募金を実施。1970年の第1回以来、累計123億円を集め、育英会への寄付などを通じて子どもたちの支援に充てている。



