東京都は29日、中東情勢の長期化を受けて、緊急物価高騰対策費232億円を含む総額542億円の補正予算案を編成すると発表しました。この予算案は、価格転嫁が難しい保育所や医療機関などの中小事業者への支援を拡充するほか、非石油・脱炭素に向けた先進的な施策を前倒しで実施し、エネルギー構造の転換を加速させることを目的としています。
補正予算案の3本柱
都によると、補正予算案は次の3本柱で構成されています。
- エネルギー構造の転換と資源の有効活用に向けた先駆的施策(173億円)
- 中小企業の経営安定化(136億円)
- 物価高騰緊急特別対策(232億円)
これらは中長期と短期に分けて中東情勢に対応するものです。
新規事業の詳細
新規事業として、東京・羽田空港で航空会社に国産の次世代航空燃料(SAF)を供給する石油元売りなどに対し、既存燃料との価格差を補助し、国産SAFの利用を促進します。また、資源調達の多角化を目指し、レアメタルなどの再資源化を進めるため、家庭に残るパソコンや携帯電話の回収事業者を支援します。これらの取り組みは「東京鉱山・東京油田の掘り起こし」と位置づけられ、都民の協力を呼びかけます。
さらに、ナフサ(粗製ガソリン)の代替原料を用いた素材・製品の開発を行う事業者などを新たに支援し、非石油由来製品の開発や利用を促進します。また、都内で感染が広がる麻疹(はしか)対策費用として1億円を計上します。
小池知事のコメント
小池百合子知事は29日の定例記者会見で、「石油だけに頼らない社会の実現に向け、エネルギー構造の転換を加速化するとともに、都民らの不安を確実に払拭していく」と述べました。この補正予算案は6月に開会予定の都議会定例会に提出されます。



