国内未承認の脳梗塞新薬、従来薬より2.9倍高い効果…厚労省が実用化企業を公募へ
国内未承認の脳梗塞新薬、従来薬より2.9倍高い効果

脳梗塞で詰まった血管内の血栓を溶かす海外の新薬について、国内で実施された臨床試験の結果、従来の薬と比較して高い効果が確認されたと、国立循環器病研究センターなどの研究グループが発表した。この新薬は海外では既に承認されているが、国内では未承認の状態が続いており、いわゆる「ドラッグロス」の解消が課題となっている。これを受け、厚生労働省は国内での実用化を進める企業の公募を開始する方針だ。

研究の概要と結果

研究を主導したのは、大阪府吹田市に所在する国立循環器病研究センターである。脳梗塞は脳の血管が血栓によって閉塞する疾患で、発症患者の約半数が運動麻痺などの重度の後遺症に苦しむ。発症から血流が回復するまでの時間が短いほど、脳へのダメージや後遺症のリスクを低減できることが知られている。

今回の臨床試験で用いられた新薬は「テネクテプラーゼ」と呼ばれ、欧米の製薬企業によって開発された。試験は2022年から2025年にかけて、国内の18の医療機関に脳梗塞で搬送された218人の患者を対象に実施された。発症から4時間半以内の患者を、新薬を投与するグループと従来の薬を使用するグループに無作為に割り付け、血流が再開した割合を比較した。

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その結果、新薬グループでは10.3%の患者で血流が再開したのに対し、従来の薬グループでは3.6%にとどまり、新薬の効果は従来薬の約2.9倍に達した。さらに、3か月後に周囲の支援を必要とせず日常生活を送れる状態に回復した患者の割合も、新薬グループで有意に高かった。一方、副作用や死亡者の割合には両グループ間で有意な差は認められなかった。この研究成果は国際的な医学誌に掲載されている。

専門家の見解と今後の展望

臨床試験で共同代表を務めた杏林大学の平野照之教授(脳卒中医学)は、「今回の試験で、日本人に対しても新薬の有効性が確認された。欧米では既に広く使用されており、国内でも早期に利用できる環境を整えてほしい」と述べている。

厚生労働省は、この結果を踏まえ、ドラッグロス解消の一環として、テネクテプラーゼの国内実用化を推進する企業を公募する方針だ。公募では、国内での製造販売承認申請に向けた臨床試験や薬事手続きを担う企業を募る見通しである。これにより、患者への早期提供が期待される。

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