袴田ひで子さん、再審制度の抜本改正を強く訴える
昭和41年に静岡県で発生した一家4人殺害事件、いわゆる袴田事件で死刑判決を受け、後に再審で無罪が確定した袴田巌さん(90)の姉、袴田ひで子さん(93)が、4月23日に日本記者クラブで記者会見を開き、法務省と自民党が議論している再審制度について、抜本的な改正を強く求めました。
法務省案への懸念と抗告禁止の要請
ひで子さんは、法務省が提示している刑事訴訟法改正案について、「不備があると思えば、正々堂々と直して改革してもらいたい」と述べ、制度の不透明さに懸念を示しました。特に、再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)が維持されている点を問題視し、抗告の全面禁止を改めて訴えました。
法務省は4月15日、抗告後の審理期間を努力義務として1年以内とする修正案を提示しましたが、ひで子さんはこれだけでは不十分だと指摘。証拠開示に関しても、目的外使用の制限が検察に都合よく運用される恐れがあるとし、「いい証拠も悪い証拠もすべて出してほしい」と、目的外使用の解禁を求めました。
長年の闘いと制度改正への期待
袴田巌さんは、再審請求から無罪確定まで43年もの長い審理を強いられ、逮捕から釈放まで47年7か月にわたり身柄を拘束されました。ひで子さんは、この経緯について「私が33歳の時の事件が、91歳でようやく無罪になった。無実の人間が処刑されてたまるかという思いでやってきた」と振り返り、巌さんの無罪獲得に人生の大半を捧げたことを明かしました。
さらに、「巌だけの問題ではない。再審を求めている人は大勢いる。その人たちのためにも、制度の不備を正してほしい」と強調し、再審制度の改正が多くの人々に影響を与えることを訴えました。事件当時、マスコミから犯人扱いされた経験にも触れ、「さらし者にされ、悪いことばかり書かれた」と回想し、報道の在り方にも改善を求めました。
自民党議員への期待と超党派の動き
自民党議員を含む超党派議員連盟は、検察の抗告禁止や幅広い証拠開示を明記した別法案(議連案)をまとめており、ひで子さんは「法務省の法案と議連の法案も互いに競っている。私は議連の方を応援したい」と述べ、議連案を支持する姿勢を示しました。
最後に、党内審査で法務省案に反対する自民党議員に対して、「自民党の国会議員には頑張ってほしい」と語り、再審制度の抜本的な見直しに大きな期待を寄せました。この発言は、制度改正に向けた政治的な動きを後押しするメッセージとして注目されています。



