滋賀県衆院選、中道改革連合の苦戦と比例復活の波乱
2026年2月に行われた衆議院選挙は、解散から投開票までわずか16日間という真冬の超短期決戦となった。前回選挙で野党勢力が伸長した滋賀県では、今回は態勢を整える間もなく選挙戦に突入し、多くの野党候補が苦戦を強いられる結果となった。
中道改革連合、支持者への説明不足で苦戦
2月1日、草津市のJR草津駅前では、滋賀3区から出馬した中道改革連合の早智敬氏の集会が開催された。立憲民主党、連合滋賀、公明党、そして支持母体である創価学会の関係者が顔をそろえる中、公明党県本部代表の清水ひとみ氏は「今日からが勝負。逆転大ホームランを皆さんの力で実現して」と聴衆に呼びかけた。
しかし、その訴えには出遅れ感が否めなかった。公明党の支持者にとっては「選挙区は自民、比例は公明」という投票行動が当たり前だったため、「中道」という新たな概念についての説明が急務となった。清水氏は創価学会関係者らへの説明に追われ、「時間が全然足りない」と焦りの色を隠せず、同党が誇る強固な組織力を十分に発揮することができなかった。
早氏の主張が埋没、知名度不足も響く
早氏は「生活者ファースト」を旗印に、食料品の消費税を恒久的にゼロとし、政府系ファンドで財源を捻出するなどと主張した。しかし、与野党がこぞって消費税減税に言及する中で埋没してしまった。さらに、立民が擁立を主導した「落下傘」候補として知名度が不足していたことも影響し、候補者6人が乱立した3区での得票は野党の中でも参政党を下回り、4番手に終わった。
2区でも苦戦、対立軸になれず
中道改革連合は、2区でも前回選挙で立民から出馬した平尾道雄氏を公認候補として擁立した。共産党が候補者を擁立せず、唯一の野党候補として挑んだものの、得票は自民党の上野賢一郎氏の3分の1にとどまった。連立政権を組む日本維新の会の候補との得票率差もわずか0.1ポイントで、明確な対立軸を形成することはできなかった。
立民県連代表、再起を誓う
立民県連代表の今江政彦氏は「中道の塊をこの選挙1回限りにはしたくない」と語り、「ここを踏ん張れたらまた挽回できるし、我慢が必要だ。まずは来年の統一地方選で非自民の勢力を増やしたい」と再起を誓った。
他の野党も伸び悩み
他の野党も苦戦を強いられた。参政党は前回選挙で3区から出馬した北野裕子氏が比例復活を果たしたが、今回は比例重複ではなかったため議席を失った。共産党は目標とした比例票には遠く及ばず、れいわ新選組は3区で候補者を立てたものの最下位に終わった。
国民民主党、比例復活で議席獲得
一方、国民民主党は1区の河井昭成氏が比例復活を果たし、野党で唯一滋賀県内で議席を獲得した。1区は元々、旧民主党の重鎮・川端達夫氏の地盤であり、河井氏は川端氏と同じ東レ労組出身で後継として出馬した。
民間労組のUAゼンセンに所属する河井氏は、連合滋賀にとって川端氏や現知事の三日月大造氏以来となる衆院選での組織内候補であり、「絶対に落とせない」と組織固めを徹底した。選挙戦初日にはUAゼンセン本部の会長が応援に入り、国民民主党幹事長の榛葉賀津也氏も「選挙区で勝ってもらわないと困る」と発破をかけていた。
維新の斎藤氏がネックに
しかし、日本維新の会の斎藤アレックス氏の存在がネックとなった。斎藤氏は国民民主党出身で、前回選挙では公示前に維新へ合流。国民民主党が候補者擁立を見送ったこともあり、連合滋賀の組織票の一部も取り込んで小選挙区で勝利していた。
今回、河井氏と斎藤氏の得票を合計すれば自民党の大岡敏孝氏を上回ったが、河井氏は斎藤氏に及ばなかった。連合滋賀会長の白木宏司氏は「旧民主系の塊はあるが、集約できたかは悩ましい」と吐露した。
1区から3人の議員誕生
結果として、河井氏も斎藤氏も比例復活を果たし、1区が地盤の議員が3人誕生することになった。この波乱の選挙結果は、滋賀県の政治地図に新たな変化をもたらすこととなり、今後の政局にも影響を与えそうだ。