中国漁船拿捕は水産庁が実施 長崎沖EEZで違法操業を捜査
中国漁船拿捕は水産庁が実施 長崎沖で違法操業捜査

中国漁船の拿捕を水産庁が実施 長崎沖EEZで違法操業を捜査

長崎県沖の排他的経済水域(EEZ)において中国漁船を拿捕したのは、「海の警察」と呼ばれる海上保安庁ではなく、水産庁であった。この異例の事態は、違法操業に対する取り締まり体制の実態に注目が集まるきっかけとなった。

現行犯逮捕と検査拒否の疑い

水産庁は2月13日、中国漁船を拿捕し、中国籍の船長チォンニエンリー容疑者(47)を漁業主権法違反(検査拒否)容疑で現行犯逮捕したと正式に発表した。逮捕は前日の12日付で行われた。

同庁の説明によれば、事件は長崎県五島市の女島灯台から南西に約165キロ離れた沖合で発生。漁業監督官が立ち入り検査を実施するため停船命令を発令したが、中国漁船はこれに従わず逃走を図った疑いが強まっている。現在、捜査への影響を考慮し、容疑者の認否については明らかにされていない状況だ。

水産庁による外国船拿捕の意義

今回の拿捕は、水産庁による今年初めての外国船拿捕事例であり、中国漁船に限れば2022年以来となる貴重なケースである。この事実は、以下のような背景を浮き彫りにしている。

  • EEZ内での外国漁船の違法操業が継続的な課題であること
  • 水産庁が海上保安庁とは異なる独自の監視・取締り体制を有していること
  • 国際的な漁業秩序の維持が国家的な関心事項となっていること

水産庁の漁業取締船は、日本近海において持続可能な漁業資源の保護と違法行為の防止を主な目的として活動している。具体的には、以下のような役割を担っている。

  1. EEZ内での無許可操業の監視と取り締まり
  2. 漁業協定に基づく外国漁船の検査実施
  3. 海洋資源の適正管理に関するデータ収集

今後の展開と課題

今回の事件は、水産庁の取締り能力とその限界について再考を促す契機となる可能性が高い。外国漁船による違法操業は、単なる法律違反ではなく、海洋生態系のバランスや日本の漁業権益に直接的な影響を与える重大な問題である。

今後は、水産庁と海上保安庁の連携強化、国際的な監視ネットワークの構築、そして違反者に対する効果的な抑止策の策定が急務となるだろう。特に中国漁船をめぐっては、地理的・政治的要因から拿捕事例が限られているため、今回の捜査結果が今後の対応方針に与える影響は小さくない。

水産庁は、拿捕した中国漁船の詳細な調査を進めるとともに、類似事案の防止に向けた対策の強化を検討している。日本のEEZを守る「もう一つの防衛ライン」としての役割が、今後ますます重要になることが予想される。