田村市に伝わる「お人形様」、高さ4メートルの巨大守り神が魔よけとして地域を守る
田村市の「お人形様」、高さ4メートルの巨大守り神

福島県田村市の屋形地区をはじめとする各地に、古くから「お人形様」と呼ばれる巨大な守り神が鎮座している。これらのお人形様は、高さが最大4メートルに達し、鬼のような形相で両腕を大きく広げた姿が特徴で、地域の人々から「魔よけ」として大切に守られてきた。

お人形様の分布と特徴

お人形様は田村市船引町の屋形、朴橋(ほおのきばし)、堀越の各地区に残っており、いずれもかつての磐城街道沿いに位置する。高さは屋形と堀越地区が約4メートル、朴橋地区が約3.5メートルと、いずれも圧倒的な大きさを誇る。特に、大きく見開かれたつり目や、わらで作られた耳や手、帯、なぎなたなどの装飾が、見る者に強い印象を与える。

屋形地区のお人形様

屋形地区のお人形様は、小高い公園に住民を見下ろすように鎮座している。屋形お人形様保存会長の粠田仁三さん(77)は「幼い頃は下から見上げると怖くて、なまはげのイメージだった」と振り返る。顔の面は縦125センチ、横80センチ、厚さ10センチで、杉の葉で作られたひげが特徴的だ。

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3体の違い

朴橋お人形様保存会長の荒井義光さん(66)によると、3体のお人形様には細かな違いがある。例えば、朴橋地区のお人形様だけは面の歯の色が金色で、腰ひもの結び方も屋形が前結びなのに対し、朴橋は後結びとなっている。これらの違いは、それぞれの地域の歴史や文化を反映していると考えられる。

起源と歴史

お人形様の起源は明確ではないが、田村市の資料によれば、屋形地区に現存する古い面には1808年、のぼりには1818年と記載があり、朴橋地区の古い面にも1854年とある。このことから、江戸時代のその頃にはすでに祭られていたとみられる。悪病が流行した際に、各村に病が入り込まないよう追い払う祈りから祭られたとされ、当時の病への恐怖が背景にある。

伝統継承の取り組み

各保存会は伝統継承に力を入れており、毎年「衣替え」と称した衣装替えと化粧直しの祭礼を行っている。屋形と朴橋地区は4月の第2日曜日、堀越地区は第4日曜日に実施する。また、1989年にはJR船引駅にもお人形様を設置し、認知度向上を図った。1994年からは駅のお人形様の衣替えも行われている。

堀越地区の歴史

堀越地区は他の地区と異なる歴史をたどる。1907年に衣替えと祭礼が途絶えたが、市の資料によれば1905年の大飢饉が原因とされる。その後、1992年に復元され、再び祭礼が行われるようになった。

関連する神社と伝説

お人形様を祭る明石神社には、坂上田村麻呂が戦勝祈願のために腰を下ろし、一晩過ごしたという石が残る。夢で勝利のお告げ通りに勝利したことから、坂上田村麻呂が社号を明石宮と名付けたという伝説がある。また、JR船引駅から徒歩15分の場所には大鏑矢神社があり、桓武天皇の勅命を受けた坂上田村麻呂がかぶら矢を奉納したのが始まりとされる。

観光情報

お人形様の見学は無料で、各場所へのアクセスはJR磐越東線船引駅から車で約15分。問い合わせは田村市観光交流課(電話:0247-81-2136)まで。また、2004年に誕生した複合施設「田村市船引コミュニティプラザ」では、地元の特産品やお人形様のストラップ、オリジナルドリンクなどを販売している。営業時間は火曜日から土曜日の午前10時から午後6時まで。

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