岸田文雄首相が来月上旬にも韓国を訪問する方向で調整に入ったことが、4日、政府関係者への取材で明らかになった。日韓首脳が定期的に相互訪問する「シャトル外交」を再開することで、両政府が合意したことによる。実現すれば、2011年の野田佳彦首相(当時)以来、約12年ぶりの韓国訪問となる。
シャトル外交の意義
シャトル外交は、日韓首脳が頻繁に行き来し、率直な意見交換を行うことで、両国関係の緊密化を図る枠組み。李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2004年に始まったが、2012年の李明博大統領による竹島上陸以降、中断していた。今回の再開は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後、急速に改善した両国関係の象徴的な一歩とされる。
調整の経緯
岸田首相と尹大統領は、先月の日韓首脳会談でシャトル外交再開に合意。その後、具体的な日程調整を進めてきた。首相は訪問中、尹大統領と会談し、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応や、経済安全保障分野での協力強化などを協議する見通し。また、ソウル市内でのビジネスフォーラムへの出席も検討している。
政府関係者は「シャトル外交の再開は、日韓関係を新たな段階に引き上げる重要な機会。両首脳が直接対話を重ねることで、相互理解と信頼関係をさらに深めたい」と述べた。
今後の展望
首相の訪韓後、年内にも尹大統領の来日が実現する可能性がある。両政府は、首脳間の定期的な往来を制度化し、外相や防衛相など閣僚レベルでの交流も活発化させる方針。また、両国間の懸案である元徴用工問題や輸出管理などの分野でも、対話を通じた解決を目指す。
一方、国内では、韓国との関係改善に慎重な意見も根強い。特に、歴史認識問題や竹島問題については、国民の理解を得ながら進める必要がある。政府は、シャトル外交の再開が両国関係の安定した発展につながると説明し、国民の理解を求めていく方針だ。



