江戸時代に岩国を治めた吉川家が代々収集してきた名品の中から、美術工芸品に焦点を当てた企画展が、岩国市の吉川史料館で開かれている。テーマは「めでたきもの」。初公開となる江戸後期の絵師、狩野養信の「婦女遊楽図」など、吉川家で長年愛されてきた作品や、縁起の良いモチーフが描かれた作品など26点が並ぶ。
初公開の「婦女遊楽図」
狩野養信は、徳川幕府の御用絵師の最上位である「奥絵師」を務めた人物。模写にも優れており、この婦女遊楽図は、国宝「紙本金地著色風俗図」を模写したものと考えられている。大胆に再構成され、物思いにふける女性、三味線を弾く女性、恋文を書く女性――と三者三様の姿が写実的かつ端正に描かれている。同館の小笠原美里学芸員は「(風俗図と)かなりそっくりに描かれており、細部の精密な表現から高度な画力が見て取れる」と説明する。
「玉堂富貴図」など吉祥画も
「玉堂富貴図」は、江戸から明治にかけて活躍した絵師、長谷川雪堤の作品。幕末に活躍した吉川経幹が1849年(嘉永2年)、母親の40歳の誕生祝いに贈ったもの。白モクレン、カイドウ、ボタンで富裕を象徴し、上品で鮮やかな色彩の吉祥図(めでたい絵)として知られる。
このほか、中国・宋の青磁や天目茶碗、和歌の短冊なども展示されている。会期は14日まで。



