岡山県2026年度予算案、過去最大の8196億円に
岡山県は2月13日、2026年度の一般会計当初予算案を公表しました。総額は8196億9800万円で、前年度比5.5%増となりました。これは伊原木隆太知事が就任した2012年以降、最大規模の予算案となります。県は少子化対策や産業振興などに重点的に予算を配分し、人口減少問題への本格的な取り組みを進めます。
歳入・歳出の内訳と財政状況
歳入面では、軽油引取税の暫定税率廃止などの影響で、県税収入が2803億6300万円と前年度比2.9%減を見込んでいます。一方で、地方交付税や地方特例交付金などが増加し、全体として歳入を確保しています。県債発行額は513億2300万円で、2026年度末の県債残高は1兆1545億円と前年度比421億円減となる見通しです。また、財政調整基金(通常分)から72億円を取り崩す計画です。
歳出では、全体の7割超を占める義務的経費が、人件費や社会保障関係費などの増加により、5916億3100万円と前年度比3.9%増となりました。教育無償化への対応や県債管理基金への積み立てなども歳出を押し上げています。
重点戦略に1484億円を集中投資
県の総合計画「第4次晴れの国おかやま生き活きプラン」に基づき、少子化対策、産業振興など四つの重点戦略に合計1484億円を投じます。特に、人口減少問題に対応するため、女性や若者の還流・定着、人手不足対策などに従来以上に注力するとしています。
少子化対策に221億円を計上
少子化対策には社会保障関係費などを含め221億円を計上しました。新規事業として、県の結婚支援システム「おかやま縁むすびネット」などを従業員に周知する「縁むすび応援企業(仮称)」制度を創設し、出会い・結婚支援を強化します。また、子育て支援の拡充など、妊娠・出産から子育てまで切れ目のない支援を実施します。伊原木知事は「誰もが安心して子育てできる環境作りを目指す」と述べています。
教育分野ではAI活用と学校支援を強化
教育分野では、教師の授業力や子どもの学ぶ力の向上を目指し、107億円を盛り込みました。新規事業として、英語力を高めるため、モデル校5校に生成AIアプリを導入して授業を実施します。さらに、保護者らからの過剰な苦情や要求に対応する「学校問題解決支援コーディネーター」を配置し、学校運営を支援する体制を構築します。この事業には1320万円を計上しています。
産業振興に515億円、空港機能強化も着手
産業振興には515億円を投じます。将来のインバウンド(訪日外国人客)需要を見据え、岡山空港(岡山市北区)の機能強化に着手します。概算事業費280億~320億円のうち、2026年度は基本設計などに6759万円を計上します。また、「もうかる農林水産業」の加速にも力を入れ、県が開発した桃のスマート栽培管理支援システムの普及に向けた事業を新たに始めます。この事業には461万円を計上しています。
防災対策と女性・若者対策にも予算配分
防災対策では、2025年3月に岡山市南区で発生した大規模な山林火災の跡地で、植栽やヘリコプターを使った種子散布を実施します。森林の再生と地域住民の安全確保を図る防災林造成事業に1億円を計上します。
女性や若者の還流・定着対策としては、地域に住む女性をデジタル人材へと育成し、地域在住のまま都市部の高単価な業務への就業を支援する「地域デジタル女子人材育成・就業事業」に2640万円を計上します。また、老朽化した東京の岡山県育英会東京寮(男子寮)を改修し、女子寮とする費用も盛り込みました。この改修事業には9234万円を計上しています。
その他の新規事業
- 新サッカースタジアムの調査・検討:2734万円
この予算案は、2月24日開会の県議会定例会に提出されます。岡山県は、少子化対策と産業振興を両輪に、持続可能な地域社会の実現を目指す方針です。