インターネット上の詐欺やSNSでの「闇バイト」募集など、サイバー空間での犯罪を未然に防ごうと、県警と福井大学は、学生に指導役となってもらい、同世代を中心に啓発活動を展開する取り組みを強化している。今年度、単位取得できる共同開講科目「サイバー空間の脅威と対策」を新たに設けた。
新たな共同開講科目で学生を育成
今年度から始まった共同開講科目の講義は、福井大学のほか県内の7大学・短大の学生も受講可能。今月14日に福井市のアオッサ内の大学連携センター「Fスクエア」で開かれた第1回の授業には、約20人が出席した。科目の概要や、インターネットで暮らしが便利になっている情報化社会について説明を受けた。担当の福井大学教育学部の岸俊行教授は「自ら啓発グッズをつくりながら学び、犯罪に遭わないための知識を地域に広めてほしい」と呼びかけた。
サイバー防犯ボランティアの歴史
県警は若年層にサイバー防犯の意識を浸透させようと、2014年度からサイバー防犯ボランティア(サイボラ)の委嘱を始めた。福井大学にも協力を呼びかけ、2017年度頃から岸教授のゼミ生が活動している。これまでサイボラとなった福井大学生は延べ約90人。県警は県内の他の大学生の協力も得て、サイバー空間の危険性を伝える絵本やポスター、かるたなどを作成。実際に中学校で啓発活動を実施し、県警の担当者は「わかりやすく、楽しみながら学べると好評だ」と振り返る。
共同開講科目の詳細
共同開講科目では、受講生にサイボラを委嘱。匿名性の高さが悪用されるサイバー空間の脅威と対策などについて講義した上で、学生はネットリテラシー(適切に使う能力)やサイバー犯罪に関する啓発グッズを作成し、小中学校などでの啓発活動で活用することを検討している。受講生の福井大学教育学部2年の青木大來さん(19)は「推しのVチューバーがサイボラを紹介していて興味を持った。将来、教師になったときにも生きると思う。自分もネットリテラシーを理解し、周りの人にも伝えたい」と話していた。
サイバー犯罪の増加と対策
県警が受理したサイバー犯罪関連の相談件数は2021年が1901件だったのに対し、2025年は3022件と6割増加した。同年の内訳は「詐欺・悪質商法」が最多の1489件。「クレジットカード番号盗取など」が432件、「不正アクセス、コンピューターウイルス」が407件と続いた。県警サイバー犯罪対策課は「手口はどんどん変わってきている。学生には最新の手口も伝えたい」としている。



