ロシアの歴史家ロイ・メドベージェフ氏が100歳で死去 スターリン批判の異端マルクス主義者
ロシアの歴史家ロイ・メドベージェフ氏が2月13日、死去した。100歳だった。心不全とみられている。タス通信が報じた。メドベージェフ氏はソ連時代に独裁者スターリンを批判し民主化を主張するなど「異端のマルクス主義者」として広く知られていた人物である。
スターリン批判で共産党除名 民主化要求の書簡も
メドベージェフ氏は1925年、旧ソ連ジョージア(現在のグルジア)に生まれた。レニングラード大学を卒業後、教員やソ連教育アカデミーの研究員などを務めた。しかし、スターリン批判を展開したことで1969年にソ連共産党から除名されるという処分を受けた。
さらに1970年には、ノーベル平和賞受賞者である核物理学者のアンドレイ・サハロフ博士と共に、共産党指導部に対して民主化を要求する書簡を送付。当時のソ連体制に対して公然と異議を唱える姿勢を示し、国内外から注目を集めた。
ゴルバチョフ政権下で名誉回復 晩年まで活動
その後、ミハイル・ゴルバチョフ政権が進めたペレストロイカ(改革)の流れの中で、1989年に名誉回復が実現。共産党への復党を果たした。メドベージェフ氏はソ連崩壊後もロシアにおいて歴史家として活動を続け、スターリン時代の研究や民主化に関する著作を多数発表していた。
その生涯は、ソ連から現代ロシアに至る政治体制の変遷を体現するものとして、学術界のみならず広く社会からも評価されてきた。100歳での死去は、一時代を画した知識人の逝去として、ロシア国内外で惜しむ声が上がっている。