財務省と経済産業省は1日、韓国、中国、台湾から輸入されている2種類の鋼材について、反ダンピング(不当廉売)調査を開始すると正式に発表した。この調査は、日本製鉄やJFEスチールなど国内鉄鋼大手が2月に申請していたもので、安価な輸入品により需要を奪われ、損害が生じていると主張していた。
調査対象となる鋼材
対象となるのは、自動車や建築資材に使用される熱延鋼板および鋼帯、さらに家電製品や自動車部品に用いられる冷延鋼板と鋼帯の2種類。いずれも幅広い産業で使用されており、中国企業などによる過剰生産が国際的に問題視されている。
調査のスケジュールと今後の見通し
調査は原則として1年以内に終了し、その結果に基づいて反ダンピング関税を課すかどうかを判断する。財務省は「公正な取引を確保するため、厳正に調査を進める」としている。
日本鉄鋼連盟の広瀬政之会長(JFEスチール社長)は同日、「鋼材の不公正輸入に対するモニタリングを強化するとともに、さらなる対策について政府とも相談していく」とのコメントを発表。業界全体として問題に取り組む姿勢を示した。
背景と影響
近年、中国や韓国、台湾からの鋼材輸入が増加しており、国内鉄鋼メーカーは価格競争に苦しんでいる。特に、中国の過剰生産能力は国際的な鉄鋼市場の混乱を招いており、日本だけでなく欧米でも同様の調査が行われている。今回の調査がどのような結論を導くのか、今後の動向が注目される。



