米国土安全保障省が一部閉鎖、移民捜査官の射殺事件を巡る予算不成立が背景
米国土安全保障省一部閉鎖、移民捜査官射殺事件で予算不成立

米国土安全保障省が一部閉鎖、移民捜査官の射殺事件を巡る予算不成立が背景

【ワシントン=池田慶太】米国において移民捜査を指揮する国土安全保障省の予算が失効し、日本時間の14日午後から連邦政府の一部閉鎖が開始された。この事態は、強硬な取り締まりが問題視されている「移民・関税執行局」をはじめとする同省の移民当局への対応策を巡って、与野党が激しく対立し、予算案が期限までに成立できなかったことに起因している。

ミネアポリスでの射殺事件が引き金に

背景には、ミネソタ州ミネアポリスで1月に発生した深刻な事件がある。移民当局の捜査官が米国籍の市民2人を射殺し、これに対して抗議活動が広がったのだ。野党である民主党は、この事件を受けて、捜査官に身分証の提示を義務付けることや、裁判所の令状なしに私有地への立ち入りを禁止することを含む10項目の改革案を要求し、予算成立に抵抗していた。

与野党の対立が予算成立を阻む

政権側および与党の共和党は、ボディーカメラの着用など一部の点で譲歩を示したものの、当面の資金を確保するための暫定予算(つなぎ予算)の期限である13日深夜までに合意に至ることができなかった。トランプ大統領は記者団に対し、野党の要求が捜査官の安全を脅かすものだと主張し、「民主党は過激な左翼だ」と厳しく批判した。

閉鎖による影響と今後の見通し

国土安全保障省の閉鎖に伴い、業務が縮小されるため、空港の保安検査に時間がかかったり、災害対応の即応性が低下したりする可能性が指摘されている。一方で、昨年成立した追加予算を受けて、移民捜査自体は継続される見込みだ。他の政府機関の予算については、9月まで確保されている状況である。

この事態は、米国における移民政策を巡る政治的な対立が、政府機能の一部停止という深刻な結果を招いたことを浮き彫りにしている。今後の予算交渉の行方に注目が集まっている。