現職と新人の一騎打ちとなった2025年6月の愛知県西尾市長選。投開票の2週間前、市内で西尾青年会議所(JC)主催による立候補予定者の公開討論会が開かれた。
公開討論会での主張の対立
ひな壇に並んだのは、青色のスーツを着た現職の中村健(47)と、竜の絵柄が入った赤色の着物をまとった新人の安達祐(49)。人口減対策や防災対策などの市政の課題に関し、司会の進行でそれぞれの考えを述べていった。
討論会の終盤。多文化共生に関する取り組みを問われた安達は「ちゃんと話をしないと、差別とか揚げ足を取られるかもしれない」とした上で「緊急に外国人の受け入れをストップしないと僕はいけないと思います」と持論を展開した。
少子高齢化で市の人口は緩やかに減少する一方、外国人住民の比率は上昇している。討論会の時点で7・3%となり、全国平均の約3%を大きく上回っていた。安達は外国人が増えると「日本人の給料が上がらない」「治安も悪くなると思う」と主張した。
対する中村は「外国人の増加を無制限に認めるか、(国レベルでの)議論はあってしかるべきだ」としながらも、「地方自治体としては現実を受け止め、多様な価値観や文化の違いを豊かさとして生かしていくべきだ」と強調した。
地域社会の現状
市が21年に市内400の町内会に実施したアンケートによると、外国人住民が参加するのは100、役員を務めるのは21に上る。中村は「地域の担い手不足が深刻になる中、外国人が入ることで団体・組織に活力が出ることは大いにあると思う」と続けた。
西尾署によると、市内の刑法犯認知件数は減少傾向にある。25年は16年比22・4%減の810件で、安達が不安視する治安悪化はみられない。ただ、最近になって外国人住民が増え始めた地域の町内会では「どう接すれば良いか」と戸惑いの声が聞かれるのも事実だ。



