6月16日は、全国和菓子協会が定めた「和菓子の日」です。この日は、季節や年中行事と深く結びついた和菓子の文化を再認識する機会となっています。
京都の老舗が伝える和菓子の教え
京都の和菓子店「川端道喜」(京都市)は、室町時代後期に創業した老舗です。15代当主・川端道喜氏(1990年死去)の名著「和菓子の京都」(岩波新書)には、代々の申し送りが記されています。その一つが「品物を吟味して乱造せざること」。これは大量生産を否定するのではなく、味を損なう作り方を戒める教えです。
季節の和菓子「水無月」と「青梅」
この時期、京都の和菓子店には三角のういろうに小豆をのせた「水無月」が並びます。その形は、宮中行事で貴族が暑気払いに食べた氷を表しています。また、1月からの半年間のけがれをはらう神事「夏越の祓」に合わせて食される伝統があります。
一方、川端道喜では、6月中旬まで餅菓子「青梅」を販売しています。これは、五感を大切にした手作りを守り、出来たてを渡すために予約制を採用しています。
時代に合わせた生き方とは
川端道喜の代表、川端知嘉子さん(73)は、夫で16代当主が26年前に急逝した後、店を継ぎました。しかし、新芽を食べる動物の増加などで、名物の粽(ちまき)に使うササの葉の入手が難しくなりました。そんな時、本に記された「時代にみあった生き方を、その代その代の人が考えていくことです」という助言に従い、粽に加えて季節の生菓子の一般販売を始めました。
「丁寧に作ったらええんやなと教えを支えにしてきた」と知嘉子さんは語ります。伝統を守りつつ、時代に合わせた工夫を凝らす姿勢は、多くの人に共感を呼んでいます。
和菓子の日、伝統に触れる
和菓子は、作り手の技術と思いが詰まった結晶です。この「和菓子の日」に、和菓子の由来や伝統に触れ、その味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。



