金融庁が、日本の金融機関による海外の資産運用会社の買収を促進するため、規制緩和に向けた調整を進めていることが26日、明らかになった。現在の銀行法などでは、金融機関が非金融事業を保有することが制限されており、買収対象の運用会社がそうした事業を手がける場合、事前にその事業の売却を約束する必要があった。しかし、新たな方針では、買収後も一定期間は非金融事業の保有を認める方向で検討が行われている。
背景と目的
物価上昇が続く中、現金の価値が目減りしていることから、政府は「貯蓄から投資」への流れをさらに加速させる必要があると判断。海外の運用会社が持つ高度な運用ノウハウを活用し、魅力的な金融商品を増やすことで、少額投資非課税制度(NISA)などを通じた家計の資産形成を後押しする狙いがある。
規制緩和の具体的内容
現在、日本の金融機関は流通業など金融以外の事業を原則として保有できない。しかし、海外の資産運用会社の中には、こうした非金融事業を併せ持つケースが少なくない。これまでは、そうした会社を買収しようとしても規制が障壁となり、断念する事例があった。今回の規制緩和では、銀行などが設立する金融持ち株会社に対して、買収対象の運用会社が持つ非金融事業の売却に一定の猶予期間を認める方向だ。
今後のスケジュール
政府は、今夏に策定する金融分野の新戦略にこの規制緩和を盛り込む方針で、早ければ2026年度中に内閣府令を改正する見通し。これにより、海外の優れた運用ノウハウを取り入れやすくなり、日本の資産運用市場の活性化が期待される。
金融庁は、規制緩和を通じて金融機関の国際競争力を高めるとともに、家計の資産形成を支援することで、経済全体の活性化につなげたい考えだ。



