人材派遣市場は年々拡大を続けている。人手不足を背景に、派遣社員を活用する企業が増加しているためだ。厚生労働省の調査によると、2024年度の売上高は約9兆9千億円、派遣先の数は約86万件に達し、それぞれ5年前の約1.4倍、約1.2倍となった。
派遣料金の構成と上昇要因
派遣料金は、派遣社員に支払われる賃金相当分が約7割、派遣会社の取り分であるマージンが約3割で構成される。今回、カルテルが疑われている一般事務従事者の派遣料金(8時間換算)の平均は、2024年度に1万8112円で、うち賃金は1万2231円だった。
派遣料金が上昇している主な要因は、賃金の上昇である。2020年に始まった「同一労働同一賃金」のルールにより、雇用形態の違いによる不合理な待遇差が禁止されたことに加え、最低賃金も年々引き上げられている。
最低賃金の急激な上昇
派遣社員にも適用される地域別の最低賃金は、2021年度以降、全国平均で3%を超える上昇が続いている。2024年度は5.1%、2025年度は6.3%と、引き上げ率が急激に高まっている。
一方、マージンには会社の運営経費や利益だけでなく、派遣する社員の社会保険料や研修費なども含まれている。賃金引き上げが続く中、派遣会社の収益は圧迫されている。
派遣業界に詳しい関係者によると、人材派遣は「もうかる業界ではない」という。賃上げや同一労働同一賃金への対応に加え、社会保険料の負担増などが経営を圧迫しており、料金引き上げが不可欠な状況にある。



