愛知県一宮市の名鉄西一宮駅から徒歩約3分、住宅街にひっそりとたたずむベーグル専門店「TRIP TIP BAGEL」が、世界各国の料理をヒントにした独創的なベーグルで人気を集めている。店主の小嶋奈緒さん(44)は、かつて大手航空会社の国際線で客室乗務員(CA)として勤務。その経験を生かし、旅先で出会った味をベーグルに閉じ込めている。
CA時代の経験が生んだアイデア
小嶋さんは横浜市出身で、CAだった母親の影響で同じ道を志した。現役時代は北米、南米、アジア、ヨーロッパなど約25か国を訪れたという。初めてベーグルを食べたのは東京での学生時代。そのもちもちとした食感に衝撃を受け、以降、仕事で訪れた国々で現地のベーグルを食べ歩いた。
結婚を機に一宮市に移り住み、3人目の子どもを妊娠したのをきっかけに航空会社を退職。育児や家事に追われる中でも「好きなことをやりたい」という思いが強まり、ベーグル販売店の開業を決意した。パン作りの教室に通い専門知識を身につけ、2024年1月に自宅の一部を改装して店をオープンした。
店名に込めた思い
店名の「TRIP TIP BAGEL」には、CAとして各国を旅(TRIP)し、現地の料理の味や食材、調味料をヒント(TIP)にベーグルを提供するという思いが込められている。店内はコンパクトで、3人入ればいっぱいになるほど。販売専門のためテーブルや椅子はなく、壁にはベーグル発祥の地とされるポーランドの首都ワルシャワや、小嶋さんが「大好きな街」というパリ、ホノルルなど世界6都市の時刻を示す時計が飾られている。
多彩なメニュー
訪れた日は、ビターとホワイトの2種類のチョコレートを合わせた「Wフォンダンショコラ」、ベーコンとメープルマスタード、チーズを使った「アメリカンBreakfast」など、多彩なベーグルがショーケースに並んでいた。厨房では小嶋さんらスタッフが次々とベーグルを製造し、少なくなった商品を補充していた。
人気メニューの「台湾胡椒餅」は、香辛料のさっぱりとした味わいが特徴。約20年前、出張で訪れた中国で食べた弁当のハムの味を再現しようと、帰国後中華料理店を巡ったが見つからなかった味に、ようやくたどり着いた一品だ。ベーグルの生地には国産小麦粉と自家製酵母を使用している。
期間限定の香港チャーシューパイ
6月19日からは期間限定で「香港チャーシューパイ」の販売を開始。自家製チャーシューのしっかりとした味わいが魅力で、主食にも酒の肴にもなる逸品だ。小嶋さんは「日本人の味覚に合わせつつ、各国の郷土料理の味の再現に挑戦したい」と意欲を見せる。
店舗は愛知県一宮市天王2の7の1に位置し、営業は火曜、水曜、木曜の午前11時から午後4時まで。不定期で金曜と土曜に営業することもある。メニューは20種類以上だが、一部は期間限定販売となる。店頭販売のほか、オンライン販売や事前予約(取り置き)も受け付けている。詳細はホームページ(https://triptipbagel.com/)で確認できる。



