都市部の一等地で計画されている再開発プロジェクトにおいて、遅延や中止が相次いでいる。建築資材の価格や人件費が当初の予想を大きく上回っているためだ。施設の老朽化が進む中、建設と都市開発の業界団体は1日、異例とも言える協議会を初めて開催し、対応策の議論を開始した。
帝国ホテルの建て替え延期
帝国ホテルは3月、東京都千代田区にある「帝国ホテル東京」のタワー館について、当初2024年度中としていた解体工事の着工予定を延期し、2030年度末を目標とすると発表した。また、本館の建て替え(2031~2036年度予定)も時期が未定となった。同社は建築費、労務費、エネルギー価格の高騰を受け、「質の高い事業計画の検討に要する期間が必要」と説明している。
資材価格と労務費の急上昇
建設業界では資材価格と人件費の高騰が広範囲に影響を及ぼしている。日本建設業連合会(日建連)によると、アルミや板ガラス、鉄鋼など様々な資材が値上がりし、資材全体では2021年以降の5年間で約4割上昇した。さらに、建設に不可欠な技能労働者の労務単価も同期間で約28%上昇。時間外労働の上限規制もコスト増に拍車をかけている。
大規模再開発で相次ぐ計画見直し
こうした状況下で、計画から完成まで長期間を要する大規模再開発では、当初想定したコストを超過し、計画の見直しを余儀なくされる事例が帝国ホテル以外でも相次いでいる。大阪市中央区の御堂筋沿いや名鉄名古屋駅周辺でも同様の動きが見られる。
業界団体が初の協議会
建設業界と都市開発業界の団体は1日、都内で初めての協議会を開催した。参加者からは、資材価格の高止まりや人手不足の深刻化に対する懸念が相次ぎ、長期的な対策の必要性が確認された。協議会では、工法の見直しやデジタル技術の活用、サプライチェーンの強化などが議論された。
この記事は有料記事です。残り526文字。有料会員になると続きをお読みいただけます。今すぐ登録(1カ月間無料)。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。ログインするか、アプリで開くこともできます。



