福井県敦賀市のオーベルジュ計画断念、物価高で採算見通せず
敦賀市のオーベルジュ計画断念、物価高で採算見通せず

福井県敦賀市の金ケ崎緑地で計画されていた宿泊機能付きレストラン「オーベルジュ」の整備について、民間事業者が計画断念の方針を固めたことが明らかになった。事業者側は物価高騰の影響で採算性が見通せなくなったと市に説明した。このオーベルジュ整備は、北陸新幹線敦賀開業を機に富裕層や訪日客の誘客拠点化を目指す市や県の重要施策だった。

計画の経緯

県は新幹線開業後の県内のにぎわい創出を図り、各地でオーベルジュ誘致を進めてきた。その一環として2022年3月、市とともに前田建設工業、アクアイグニス(いずれも東京)と協定を結んだ。同年4月には県、市、敦賀商工会議所で「金ケ崎周辺魅力づくり協議会」を立ち上げ、23年11月には世界的な建築家、重松象平さんによる金ケ崎エリア一帯の再開発イメージを公開した。デザイン計画を担う前田建設工業が委託したもので、近未来的な設計が大きな注目を集めた。

新幹線開業直前の24年1月には、後継の協議会となる「敦賀まちづくり協議会」が、市内の観光計画「敦賀まちづくりアクションプログラム」を公表し、金ケ崎のオーベルジュ誘致も盛り込まれた。

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断念の背景

しかし、事業者の整備計画は、資材や人件費の高騰などを背景に基本設計の練り直しが続いた。進展が見えないとして市議会からは事業撤退を求める声が相次ぎ、市側も事業者に早期の計画発表を求めてきた。事業に疑問を呈してきた北條正市議は「報告を待ち続けるうちに、高額な施設が本当にできるのかという不信感が募った」と話した。

今後の展望

市は今後も、オーベルジュ誘致を続ける。4月には、市内で整備を計画する事業者に対して5億円の補助制度を創設した。今回とは別の事業者も参入可能で、金ケ崎とは別の市内で計画する場合にも、補助が適用される。金ケ崎エリアでは、緑地外側の公有地の整備を市が受け持つ。市の資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」や敦賀赤レンガ倉庫などの一帯を、鉄道公園として整備する「敦賀みなと公園」(仮称)については、予定通り30年4月の完成を目指して進める。

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