パナソニックホールディングス(HD)が、住宅事業を米国の投資ファンドに約4000億円で売却する方向で最終調整に入ったことが22日、関係者への取材で分かった。経営資源を車載電池やサプライチェーン(供給網)関連など成長分野に集中するのが狙い。売却先は複数のファンドが名乗りを上げており、年内にも契約を結ぶ見通しだ。
住宅事業売却の背景
パナソニックは、住宅関連事業を手がけるパナソニック ホームズなど複数の子会社を保有している。これらの事業は安定した収益を上げているものの、成長性という観点では限界があると判断した。同社は2022年度から進める構造改革の一環として、非中核事業の見直しを加速している。
売却額と対象事業
売却額は約4000億円を見込む。対象には、パナソニック ホームズのほか、リフォーム事業や不動産開発事業などが含まれる可能性がある。パナソニックは売却後も、一部の事業で協業を継続する方向で調整している。
経営資源の集中
パナソニックHDは、車載用リチウムイオン電池事業を中核に据え、北米市場でのシェア拡大を目指している。また、半導体や電子部品の供給網強化にも注力する。住宅事業の売却で得た資金は、これらの成長分野への投資や研究開発に充てる計画だ。
業界の反応
住宅業界からは、パナソニックのブランド力が失われることを懸念する声もある。一方で、投資ファンドによる再編で事業が活性化する可能性も指摘されている。パナソニックは従業員の雇用維持を条件に売却を進める方針で、影響は限定的とみられる。
パナソニックは2023年度に約8000億円の営業利益を計上しており、今回の売却でさらなる財務体質の強化を図る。同社の株価は22日の取引で小幅に上昇した。



