日本原燃が2027年3月と設定する使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完成目標まで、残り約10カ月となった。しかし、原子力規制委員会による設計・工事計画の審査は、原燃側の説明に遅れが目立ち、保安規定の審査や完成前の設備検査はこれから実施される予定だ。これらの手続きにはそれぞれ数カ月を要する見通しで、規制委幹部は「目標達成は困難」との見方を示している。
再処理工場の概要と歴史
再処理工場は、使用済み核燃料を化学処理し、燃料として再利用可能なプルトニウムとウランを抽出する施設である。1993年に着工し、当初は1997年の完成を予定していたが、設備トラブルや新規制基準への適合性審査の長期化などにより、これまでに完成予定を27回も延期してきた。
過去のトラブルと試験中断
2007年11月から開始された高レベル放射性廃液をガラスで固化する試験では、溶融炉に廃液が詰まるなどのトラブルが頻発した。この試験は約3年半中断され、敷地内には約200立方メートルの廃液が現在も残されたままとなっている。
原燃の新方針と規制委の要求
昨年12月、原燃は溶融炉の性能確認を完成後に先送りする方針を表明した。これに対し、規制委は今月20日の定例会合で対応を議論し、溶融炉でトラブルが発生しても廃液が滞留しないような対策を保安規定に盛り込むよう求めた。
再処理工場の完成は、日本の核燃料サイクル政策の要であり、その遅れはエネルギー政策全体にも影響を及ぼす可能性がある。今後の審査の進捗が注目される。



