食糧廃棄物から革新的プラスチック素材を開発
群馬大学の研究チームは、トウモロコシの芯などの食糧廃棄物から作られる成分を活用し、高い硬度と色の変化という二つの特性を兼ね備えた、まったく新しい植物由来プラスチック材料の開発に成功した。この素材は、センサーや表面コーティングなど、幅広い分野での応用が期待されている。
研究の背景と成果
研究を主導したのは、群馬大学大学院理工学府の荒川総羽さん、粕谷健一教授、橘熊野教授らのグループ。研究成果は2026年4月4日付で国際学術誌「European Polymer Journal」に掲載された。
研究グループは、食糧廃棄物から得られる有機化合物「フルフラール」に注目。これを基にした成分を、高い耐熱性と強度で知られるプラスチック「ポリケトン」の骨格に組み込むことに成功した。従来の高性能プラスチックは丈夫である一方、後から色が変わるなどの機能を付加することが難しいという課題があった。
新素材の特長
今回開発された材料は、表面に塗布すると鉛筆硬度5Hという非常に高い硬さを示し、摂氏380度の高温にも耐えることができる。さらに、周囲の酸性やアルカリ性の違いに応じて、青色、緑色、淡黄色に色が変化する。この変色は可逆的であり、条件が元に戻れば元の色に戻すことも可能だ。
応用可能性
この特性を活かせば、酸やアルカリの変化を目で確認できるセンサー材料や、傷つきにくいスマートコーティングなどへの展開が見込まれる。また、ペットボトルと同じ素材に混ぜることで、繰り返し使用可能なpHセンサーフィルムを作ることもできるという。
今後の展望
研究グループは、群馬県内で産出される未利用バイオマス資源から原料を生産する技術と、今回開発した高機能プラスチック合成技術を組み合わせることで、県内における新たな産業創出につなげたいと考えている。



