「オヤジが、今は待つときだと言っていた」
「待つとき?」
「そう。にっちもさっちもいかないときは、待つんだそうだ」
「わかりました」
稔がうなずくと、真吉が言った。
「テツ。その後、何かわからないの?」
テツが真吉を見て言った。
「わかりません」
「なんかさ、IPアドレスで書き込んだやつを特定するとかさ」
「IPアドレスがわかったからといって、相手の素性がわかるわけじゃありません」
「そうなの? でも、手がかりとかにはなるんじゃないの?」
「今どきは、VPNとか嚙ませている人も普通にいるので、なかなか相手のことはわかりません」
「じゃあ、テツはパソコンに向かって何をやってるの?」
「脅されたので、警察沙汰にしてやったという書き込みをしたやつが、他の書き込みをしていないかどうか調べてます」
「それで、どうなの?」
「そいつは、あまり書き込みをしないやつのようです」
「SNSに顔を出さないってこと?」
「アカウントを持っているので、アクセスはしているでしょうが、書き込みはあまりしていません」
「じゃあ、手がかりなしか?」
「でも、まったく書き込みをしていないわけじゃないので、さらに追っかけてみます」
真吉が日村の顔を見た。日村はテツに言った。
「続けてくれ」



