任侠電器 第59回:待つときの知恵とIPアドレスの限界
任侠電器 第59回:待つときの知恵とIPアドレスの限界

「オヤジが、今は待つときだと言っていた」

「待つとき?」

「そう。にっちもさっちもいかないときは、待つんだそうだ」

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「わかりました」

稔がうなずくと、真吉が言った。

「テツ。その後、何かわからないの?」

テツが真吉を見て言った。

「わかりません」

「なんかさ、IPアドレスで書き込んだやつを特定するとかさ」

「IPアドレスがわかったからといって、相手の素性がわかるわけじゃありません」

「そうなの? でも、手がかりとかにはなるんじゃないの?」

「今どきは、VPNとか嚙ませている人も普通にいるので、なかなか相手のことはわかりません」

「じゃあ、テツはパソコンに向かって何をやってるの?」

「脅されたので、警察沙汰にしてやったという書き込みをしたやつが、他の書き込みをしていないかどうか調べてます」

「それで、どうなの?」

「そいつは、あまり書き込みをしないやつのようです」

「SNSに顔を出さないってこと?」

「アカウントを持っているので、アクセスはしているでしょうが、書き込みはあまりしていません」

「じゃあ、手がかりなしか?」

「でも、まったく書き込みをしていないわけじゃないので、さらに追っかけてみます」

真吉が日村の顔を見た。日村はテツに言った。

「続けてくれ」

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