カレーハウスCoCo壱番屋の創業者で、熱烈なクラシック音楽ファンとして知られる宗次徳二氏(77歳、名古屋市在住)が、福島県郡山市にクラシック音楽専用のコンサートホールを寄贈したいという夢の構想を語った。課題は市中心部での適地確保であり、実現すれば市民への大きな贈り物となるだけに、市民の理解と支援体制が注目されている。
宗次氏の社会貢献活動とホール建設の実績
宗次氏は社会貢献活動の一環として、名古屋市にクラシック専用ホール「宗次ホール」を開設し、東京・調布市の桐朋学園にも宗次ホールを設置してきた。若手演奏家をはじめとする音楽家に「一度でも多くステージに立つ機会を提供したい」という強い思いを持ち、客席は数百人規模のコンパクトな設計ながら、音響など演奏環境に優れた設備を整えている。
「くらしの中にクラシック」を旗印に
宗次氏は、クラシック音楽を聴くことで心優しい人が街に増え、社会全体が優しくなるとの信念から、「くらしの中にクラシック」を社会貢献活動の旗印に掲げている。
郡山市に注目した理由
福島県郡山市に着目したのは、市民の音楽熱の高さと新幹線沿線という地の利にある。当初は沿岸地域も検討したが、より多くの音楽ファンや演奏家に愛されるホールには郡山市の中心部が最適と判断した。約10年にわたり意中の土地を探してきたが、県内トップクラスの地価など高いハードルがあり、実現には至っていない。
地域の期待と支援の動き
郡山市には、楽都にふさわしい音楽ホールを待望する政財界人やファンが多い。市は基金を設けて可能性を探ってきたが、具体化していない。そこに宗次氏の構想を知った郡山ロータリークラブの佐藤修朗会長ら創立90周年記念式典の関係者が企画し、宗次氏を23日の式典講師に迎えて関係各方面を刺激する一手を打った。宗次氏の信念は、「東北のシカゴ」から音楽都市に生まれ変わろうとした郡山の歩みにも合致する。
講演で語った思い
宗次氏は同日の講演で、養護施設に預けられ、養父母のもとでも想像を絶する貧乏や不遇を経験した少年時代を紹介しながら、仕事人間となって育て上げた全国的な企業の株式を売却し、社会貢献活動に没頭する意図を披露。「郡山にも音楽ホールを寄贈したい。(設置場所を)早く決めてほしい」と笑顔で語った。



