女性棋士の誕生を後押しする新たな制度が導入される可能性が出てきた。日本将棋連盟は20日、棋士の資格付与に関する制度改正案を発表した。6月5日の通常総会で審議される見通しだ。
編入試験3度の資格で棋士に
改正案の一つは、棋士編入試験の受験資格を3回獲得した者(女流棋士やアマチュア)に対し、四段(棋士資格)の権利を付与するという内容だ。将棋の棋士になる一般的なルートは養成機関「奨励会」を突破することだが、女流棋士やアマチュアでも公式戦で一定の成績を残せば「棋士編入試験」を受験し、合格することで棋士になれる道が用意されている。
棋士編入試験は2006年に制度化された。直近の公式戦成績で「10勝以上、勝率6割5分以上」を満たすと受験資格を得て、編入試験五番勝負で若手棋士5人を相手に3勝すれば棋士資格が与えられる。
これまでに5人(女流棋士2人、アマチュア3人)が計6回受験。アマチュア3人は合格したが、女流棋士の福間香奈女流五冠が2度、西山朋佳女流三冠が1度受験したものの、いずれも不合格だった。受験資格を2度獲得したのは福間女流五冠のみで、あと1度資格を得れば棋士になる権利が発生する。
この改正案は6月の棋士総会で連盟正会員(四段以上、女流四段以上など)の投票にかけられ、過半数の賛成で新制度として導入される。
白玲通算5期でも棋士資格
女流棋士が棋士になる道については、昨年、女流最高タイトル「白玲」を通算5期獲得すれば棋士になる権利を与える制度案が総会で可決されている。西山女流三冠は既に通算4期を重ねており、今夏開幕の防衛戦で資格を獲得する可能性がある(福間女流五冠は通算1期)。
三段リーグ次点2度で順位戦参加資格
もう一つの改正案は、奨励会三段リーグで次点(3位)を2度獲得した三段に対し、フリークラスの四段ではなく、順位戦参加資格のある四段となる権利を与えるというものだ。
難関として知られる三段リーグは、50人の三段が半年間にわたって戦い、原則上位2人のみが四段に昇段できる。これまで次点を2度獲得した者には、名人を頂点とする棋戦「順位戦」の参加資格がないフリークラスでの四段昇段が認められていた。しかし、フリークラスでプロ入りした場合、10年以内に一定の成績を挙げて順位戦参加資格を得られなければ強制引退となるが、過去にその例はなく、制度が形骸化しているとの指摘があった。



