佐賀県の営農センターで試験農薬の野菜が誤販売、健康被害は報告なし
佐賀県は、同県唐津市に所在する上場営農センターにおいて、国の審査に向けて試験中の農薬を散布した野菜の一部を、県職員向けに誤って販売するなどしていた事実を明らかにしました。この問題は、市場への流通が確認されていないことから、一般消費者への影響はないとされています。また、現時点では健康被害の報告も一切なく、県は原因の徹底調査と再発防止に取り組んでいます。
試験中の農薬が使用されたネギと大根
発表によりますと、問題となった野菜はネギと大根で、農薬の製造会社から受託し、病害虫への有効性を確かめるための試験が行われていました。具体的には、昨年11月17日から今月3日にかけて、これらの野菜が県職員向けに販売されたほか、フードバンクへの提供も行われていたことが判明しています。さらに、2024年12月から昨年3月の期間にも、同様の誤った販売と提供が繰り返されていたことが分かりました。
県の関係者は、「試験中の農薬を使用した区画で収穫された野菜は、すべて厳重に管理されるべきでしたが、手続き上のミスにより誤って流通してしまいました」と説明しています。この事態を受けて、県は直ちに原因の詳細な調査を開始するとともに、試験中の農薬を散布する区画がある畑で収穫された全ての農産物を廃棄するよう、関係者への指示を徹底しています。
市場流出なしと健康被害の懸念軽減
今回の誤販売は、あくまで県職員向けの限定された範囲で発生しており、一般の市場や小売店には一切出回っていないことが確認されています。このため、広範な消費者へのリスクは回避された形です。県の健康担当部門は、「現時点で健康被害に関する報告は一件も受けていません。試験農薬の安全性については、製造会社から提供されたデータに基づき、緊急の評価を進めています」と述べ、市民への安心を呼びかけています。
また、フードバンクへの提供分についても、すでに回収が完了しており、これ以上の拡大は防がれている状況です。県は今後、以下の点を重点的に取り組む方針を示しています。
- 誤販売の根本原因を究明し、再発防止策を策定する。
- 試験農薬を使用する農産物の管理プロセスを厳格化し、監視体制を強化する。
- 関係職員への教育と訓練を実施し、意識向上を図る。
この問題は、農業試験場や営農センターにおける安全管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。佐賀県は、透明性を保ちながら調査を進め、結果を公表することで、地域の信頼回復に努めるとしています。今後の動向に注目が集まります。